【四国一周】学生限定フリーきっぷで巡る,春の四国特急旅!高松〜松山を駆け抜ける180分の青春鉄道記

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取材:2015年3月

四国の鉄道旅といえば,青い海,どこか懐かしい木造駅舎,そして個性的で魅力的な特急列車の数々が思い浮かぶ。

今回はまだ肌寒さの残る春休み。高校生である私が,JR四国が発売している破格の企画乗車券「学生限定春休み四国フリーきっぷ」を手に,快晴の四国路を駆け抜けた記録である。わずか3時間ほどの間に,ローカル線、讃岐うどん、そして瀬戸内海を望む特急列車での激走を詰め込んだ,瑞々しくも濃密な旅の始まりをここに書き残しておきたい。

青春の片道切符。「学生限定春休み四国フリーきっぷ」という特権

高校生という身分は,時間はあるが金がない。そんな若き旅人の強い味方が,JR四国が春季限定で設定している「学生限定春休み四国フリーきっぷ」である。

当時の価格は8,800円。この切符一枚で,JR四国線全線の特急列車および普通列車の普通車自由席が,なんと3日間乗り降り自由となる。通常,高松から松山まで特急の自由席を利用するだけでも片道約5,000円(※2015年当時)を要することを考えれば,この切符がいかに破格であるかが理解できるであろう。

これを使わない手はない。高松駅の自動改札機に切符を通し,私の四国周遊旅が幕を開けた。

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午前6時:旅立ちの高松駅。朝うどんと「高松のシンボル」への短い旅

栗林公園で味わう,本場の「朝コシ」

3月の朝6時。空気はまだきんと冷えているが,空は見事な快晴だ。
旅のスタートは高松駅から,高徳線の普通列車に乗車することから始まる。目指すは二駅先の栗林公園北口駅である。

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高松の朝は早い。そして、香川の朝といえば「うどん」を外すことはできない。
駅から少し歩き,朝早くから煙を上げるさか枝うどんへと暖簾をくぐる。注文したのはシンプルな「かけうどん」。
黄金色に澄んだいりこ出汁の香りが,眠気の残る身体を優しく揺り起こす。口に運べば,讃岐うどん特有の,押し返すような強いコシ。これぞ本場の味。四国にやってきたのだという実感が,喉を通り抜ける温もりとともにじわじわと湧き上がってきた。

午前6時半:屋島への小旅行と,特急「うずしお」の洗礼

歴史の舞台,屋島を車窓に

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再び普通列車に揺られ,源平合戦の古戦場として名高い屋島駅へと向かう。
車窓の左手には,平らな山頂が特徴的な屋島が,朝日に照らされてその特異なシルエットをくっきりと浮かび上がらせていた。
かつて源氏と平氏が火花を散らしたこの地も,今は穏やかな時間が流れている。歴史の教科書でしか知らなかった地名が,目の前の立体的な風景として立ち現れる瞬間。これこそが旅の醍醐味である。

特急「うずしお」で高松へ折り返す

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屋島駅に到着後,ゆっくりと観光する時間はない。今回の目的は,あくまで「四国の特急を味わい尽くすこと」にある。
屋島駅からは,すぐにやってきた特急「うずしお」(振子機能を備えたN2000系気動車)に乗り込み,高松駅へと折り返す。

【歴史と技術のコラム】特急「うずしお」と振子式気動車
四国の鉄路は山がちで急曲線が多い。それを克服するためにJR四国が世界で初めて共同開発したのが,制御付自然振子式気動車(2000系)である。カーブに差し掛かると,車体を内側に傾けながら,驚くほどの高速で駆け抜けていく。そのアグレッシブな走りは,乗っているだけで胸が高鳴るものがある。

わずか数分前まで普通列車でコトコトと進んだ道を,特急うずしおはエンジン音を轟かせながら一瞬で引き返していく。あっという間に高松駅へと舞い戻った。

午前7時半:特急「いしづち1号」で瀬戸内海を駆ける

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8000系電車の美しい流線型

高松駅に戻り,いよいよ本日のメインディッシュである特急「いしづち1号」(松山行き)に乗り換える。
ホームで待っていたのは,近未来的な流線型の先頭形状が美しい8000系特急形電車である。JR四国が誇る,予讃線のエースだ。

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高松駅を静かに出発した「いしづち1号」は,坂出駅で岡山からの特急「しおかぜ」と連結し,編成を堂々のものとして伊予路へと進路を取る。

紺碧の瀬戸内海を車窓に抱いて

列車が多度津を過ぎ,観音寺を越えるあたりから,車窓の右手には息をのむような美しい光景が広がり始める。
遮るもののない,どこまでも青い瀬戸内海。
快晴の空の青と,海面の深い紺碧がグラデーションを描き,太陽の光を浴びてキラキラと白銀に輝いている。

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時折,海に浮かぶ小さな島々や,ゆっくりと進む漁船が視界をよぎる。
高校生特有の,将来への漠然とした不安や焦燥感が,この圧倒的な青の中に溶けていくような感覚に陥る。
イヤホンから流れるお気に入りの音楽が,まるでこの車窓のBGMであるかのように,車内に静かに響いていた。

午前10時:坊っちゃんの街,松山駅へ到着

列車は次第に海から離れ,伊予のミカン畑を左右に見ながら走り,午前10時に愛媛県の中心地・松山駅へと滑り込んだ。

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まだ新幹線が通っていない四国だからこそ,在来線の特急列車たちが主役としてこれほどまでに輝いている。
高松から松山まで,距離にして約194km。
普通列車でのんびり進む旅も良いが,四国の技術と歴史が詰まった特急列車で,風のように駆け抜ける時間は,何物にも代えがたい「青春の一ページ」となった。

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手元にある「四国フリーきっぷ」の有効期限は,まだあと2日以上も残されている。
松山城を見上げるこの街から,次はどの特急に乗って,どんな景色に会いに行こうか。私の四国周遊旅は,まだ始まったばかりである。

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