【漆黒と黄金の桃山建築】伊達政宗公の遺志を継ぐ国宝へ。「るーぷる仙台」で巡る大崎八幡宮から広瀬通への杜の都・街歩き紀行

本ページはプロモーションが含まれています

取材:2014年3月

杜の都の目覚め。早春の光に誘われ,路線バスで国宝の境内へ

春を告げる淡い陽光が,近代的なコンコースのガラス壁を優しく包み込んでいた。

60D_141281

2014年3月。冷たくもどこか柔らかな風が通り抜ける午前,私はJR仙台駅の西口バスプールに立っていた。私は杜の都・仙台の歴史と現代が交差する街の風景を切り取るため,1台の路線バスに乗り込んだ。目指すは,奥州の覇者・伊達政宗公がその威信を懸けて建立したと伝わる,国宝「大崎八幡宮」である。

仙台駅から北西へ,バスは活気ある市街地を抜け,古くからの佇まいを残す八幡町へと進んでいく。
車窓の外には,まだ冬の名残を感じさせる欅の枝々が青空に向かって伸びており,日陰の路傍にはわずかに解け残った雪が白くきらめいていた。約20分後,バスが速度を落とすと,目の前に厳かな大鳥居が現れた。

60D_141283

大崎八幡宮は,慶長12(1607)年,伊達政宗公によって創建された仙台総鎮守である。
名匠・梅村日向守家次らの手によって建てられた本殿・石の間・拝殿が一体となった「権現造(ごんげんづくり)」の遺構は,2014年現在において,当時の絢爛豪華な「桃山建築」の粋を今に伝える極めて貴重な建造物として,国宝に指定されている。

一歩境内に足を踏み入れると,街の喧騒は嘘のように消え去り,凛とした静寂が私を包み込んだ。
長い石段を一段ずつ上るたびに,スニーカーが砂利を踏み締める「ザク,ザク」という小気味よい音が杉の巨木に吸い込まれていく。

60D_141286

漆黒に躍る極彩色。伊達男の美学が息づく社殿

石段を上りきると,木々の隙間から,息を呑むような意匠が姿を現した。

60D_141289

そこにあったのは,通常の神社が持つ素木の素朴さとは一線を画す,圧倒的な「黒」の空間であった。
総漆塗りの社殿は,晴れ渡った正午の光を浴びて深みのある妖艶な光沢を放っている。しかし,真の驚きはその細部にあった。長押(なげし)や梁には,鮮やかな赤、青、緑の極彩色で彩られた鳳凰や龍、草花の彫刻がこれでもかと施され,随所に散りばめられた純金の箔が,鈍色の黒の中で眩いばかりに自己主張をしていた。

60D_141290

これこそが,戦国時代を生き抜き,己の美学を貫き通した政宗公の「伊達」の精神の具現化にほかならない。
高校生の私は,拝殿の前に立ち,その圧倒的な色彩の対比にしばらく言葉を失っていた。お賽銭を投げ入れ,静かに手を合わせる。二礼二拍手一礼。冷たい風が境内を吹き抜けるたびに,歴史の奥深さが五感を通じて身体に染み渡るようであった。

■ るーぷる仙台 旅のミニ知識(2014年1月〜3月現在)
大崎八幡宮の参拝を終えた後は,神社前にあるバス停から,仙台の主要観光地を循環するレトロな観光シティループバス「るーぷる仙台」に乗り換えるのが極めてスマートである。1回乗車は大人250円(当時)。レトロな路面電車を模した木製のクラシカルな車内は,乗っているだけで異国を旅しているかのような情緒を与えてくれる。
60D_141291

私はやってきた紺色の車体の「るーぷる仙台」に揺られ,次なる目的地,杜の都の心臓部を貫く「広瀬通」へと向かった。

欅の並木と都会の洗練。広瀬通が紡ぐ優美な日常

バスは定禅寺通や青葉通と並ぶ,仙台を代表する大通り「広瀬通」へと到着した。

60D_141294

るーぷる仙台を下車し,快晴の陽光が降り注ぐ歩道を歩き始める。
広瀬通は,仙台駅前から西口の広瀬川に架かる広瀬橋付近までを一直線に結ぶ,片側3車線以上の広大な近代的大通りである。この通りの象徴といえば,中央分離帯や歩道沿いに美しく植えられた壮大な欅(ケヤキ)や銀杏の並木だ。早春のこの時期,まだ葉を落とした冬木の装いではあるものの,その力強い枝振りが青空に向かって幾重にも網の目を広げる様は,さながら都市の中に築かれた巨大な自然の神殿のようでもあった。

60D_141302

通り沿いには,洗練された高級ブティックやガラス張りのオフィスビル・お洒落なカフェが立ち並ぶ一方で,一本路地を入れば,古くからの歴史を刻む横丁の入り口ものぞく。
高校生の私は,並木の下を歩きながら,大崎八幡宮で見た400年前の「伊達の遺産」が,この近代的な100万都市の美意識の底流として今なお息づいている不思議を感じていた。
地方の主要都市でありながら,どこかゆったりとした優雅な時間が流れる仙台。日差しを浴びてきらきらと輝くビルの窓を眺めながら,私は温かいお茶を片手に,この洗練された日常の光景を心のノートに書き留めていった。

旅の終着。地下の鉄路から近未来の喧騒へ

広瀬通の散策を終えた私は,通りの中央に位置する仙台市地下鉄南北線の「勾当台公園駅」へと階段を下りた。

1987年に開業した仙台市地下鉄南北線は,日本で初めて本格的な「ファジィ制御」による自動列車運転を採用した,日本の地下鉄史にその名を残すハイテク路線である。
ホームに滑り込んできたのは,独特の丸みを帯びた前面デザインが特徴の「1000系」電車。車内は清潔感にあふれ、静かで滑らかな加速が心地よい。勾当台公園駅から下車する仙台駅までは、わずか二駅。地下の短い闇を俊足で駆け抜け,列車はすぐに巨大な「仙台駅」へと到着した。

地上へと上ると,そこには東北の玄関口たるターミナル駅の,日常の光と活気に満ちた大喧騒が広がっていた。

路線バスで国宝大崎八幡宮の漆黒と黄金に震え。
るーぷる仙台に揺られて,欅並木が美しい広瀬通の洗練を歩き。
最後はハイテクな地下鉄の一駅に旅の余韻を託した,この小さな街歩き。
通り過ぎれば,日常の隙間に挟まれたわずかな時間。しかし,伝統の極彩色と現代の都市景観がこれほどまでに見事に調和した仙台のコントラストは,高校生の私の拙い感性を心地よく揺さぶり,リュックサックの中に目に見えない確かな豊かさを満たしてくれた。

私は,次なる鉄路への乗り換えのため,仙台駅の賑やかな改札口へと歩みを進めた。自動改札機をくぐり,電車のホームへと下りるエスカレーターに揺られながら,私は今日体験した奥州の風の冷たさと,伊達の美学が息づく杜の都の輝きを,胸の奥でそっと反芻し続けたのである。

仙台・大崎八幡宮の旅を愉しみたいあなたへ

仙台駅周辺・広瀬通エリアのアクセス抜群な宿泊予約はこちら
仙台の歴史と都会の洗練を欲張りに楽しむなら,地下鉄やバスが集結する仙台駅周辺,あるいは広瀬通沿いでの宿泊が最もスマートです。観光後の移動がスムーズな駅直結の高級シティホテルから,おしゃれな街歩きの拠点に最適なデザイナーズホテルまで,旅のプランに合わせた最適な拠点を事前予約しておきましょう。

国宝・大崎八幡宮を巡る観光ツアー
今回紹介した大崎八幡宮・広瀬通をはじめとした仙台の観光スポットを効率的に楽しむならタクシーの利用もおすすめです。ふるさと納税制度を利用すれば,オトクに仙台の旅を楽しむことができます。

【ふるさと納税】観光タクシー3時間!杜の都仙台発!瑞鳳殿・仙台城跡・大崎八幡宮を巡る「伊達政宗公満喫コース」【1389971】

価格:65000円
(2026/6/25 06:40時点)
感想(0件)

極彩色の社殿と欅の並木道を美しく切り取るカメラ
晴れ渡る正午の光を浴びて深みのある漆黒を放つ大崎八幡宮の本殿,鮮やかな極彩色の彫刻や鳳凰のディテール,そして広瀬通のモダンなビル群と青空へと伸びる欅の樹形を,肉眼の感動そのままに質感豊かに残すならミラーレス一眼が最適です。街歩きやバス移動の限られた荷物の中でも邪魔にならない,軽量コンパクトかつ風景スナップに強い最新モデルをご紹介。

コメント

タイトルとURLをコピーしました