列車の旅 【漆黒の奥羽を貫く真紅の矢】E3系の終焉と,新時代の胎動。秋田新幹線「スーパーこまち17号」夜間登坂記と,惜別の秋田駅
本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年3月盛岡駅の分岐点。夜の闇に浮かび上がる,真紅の「ジャパン・レッド」東北の夜の冷気は,春の足音をかき消すほどにまだ鋭く,張り詰めていた。2014年3月。高校生の私は,岩手県の拠点駅,JR盛岡駅の東北新幹線ホームに立っていた。白い息を吐きながら,暗闇の奥から滑り込んでくる一条の光を見つめる。東京から「はやぶさ」と連結して走ってきたその列車は,ここ盛岡駅で宿命の切り離しを行い,それぞれの運命へと分かれていく。私が乗り込むのは,秋田新幹線の最新鋭車両「E6系」,列車名は「スーパーこまち17号」である。秋田新幹線は,平成9年(1997年)に開業した,新幹線と在来線(田沢湖線・奥羽本線)の線路幅を合わせて直通運転を行う「ミニ新幹線」の先駆者である。そして,2013年3月にデビューしたこのE6系「スーパーこまち」は,なまはげの面や秋田の伝統行事「竿燈(かんとう)」の提灯の灯りをイメージしたという,鮮烈な「茜色(ジャパン・レッド)」を頭上に戴く。最高時速320キロメートルという国内最速の韋駄天ぶりを発揮しながらも,盛岡からは在来線規格の小ぶりな...[続く]