列車の旅

【18きっぷ縦断】高知〜東京を普通列車で15時間!青春18きっぷと四国フリーきっぷで行く鉄路長距離旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月高知の朝は静かであった。春休み。高校生である私の手には,四国旅で使い倒した「学生限定春休み四国フリーきっぷ」と,今日から新たなお供となる「青春18きっぷ」が握られていた。本州へ,そして遥かなる東京へ。薄曇りの空の下,高知駅を午前6時に出発し,幾度もの乗り換えを経て夜の東京を目指す15時間・約800kmの壮大な鈍行旅が幕を開けた。四国と本州を結ぶ鉄路の記憶を,ここに書き残す。朝6時00分:高知から四国を抜けて本州へ。特急「南風」とジーンズの街・児島アンパンマン列車で瀬戸大橋を渡る旅の始まりは高知駅午前6時発,岡山行きの特急「南風2号」である。「学生限定春休み四国フリーきっぷ」の効力を極限まで活かし,四国内は豪華に特急で駆け抜ける。車体には色鮮やかなアンパンマンのキャラクターたちが描かれており,早朝の静けさの中でどこか微笑ましい異彩を放っていた。土讃線の急勾配をエンジン音轟かせて登り詰め,吉野川の渓谷を抜け,列車は香川県へと入る。やがて瀬戸大橋に差し掛かると,薄曇りの空の下に穏やかな瀬戸内海が広がった。児島駅の衝撃と,115系食パ...[続く]
城跡

【高知観光】雨の日も満喫!とさでん交通1日乗車券で巡る高知城・龍馬・ご当地グルメ旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月降りしきる雨は,時として街の表情を鮮やかに浮かび上がらせる。太平洋から吹き寄せる湿った風が土佐の街を濡らす,3月の夕刻。高校生である私は,四国周遊旅の渦中にいた。少し前に降り始めた雨は,静かなしとど雨へと変わっていた。手にあるのは,高知の街を縦横無尽に網羅する「とさでん交通」の「電車一日乗車券(市内均一区間)」(当時500円)。現存最古の歴史を誇る路面電車に揺られ,しっとりと濡れる土佐の歴史と情景を味わう旅の記録である。午後3時00分:高知駅前から「とさでん」に乗り込む日本最古の路面電車網と500円の魔法高知駅前の一角,雨のしずくが垂れる停留場で電車を待つ。やってきたのは,クリーム色の車体に青い帯が愛らしい,とさでん交通の路面電車である。1904(明治37)年に開業したこの軌道は,現存する日本の路面電車としては最も長い歴史を持つ。運転士から500円で買い求めた一日乗車券を手にとる。日付のスクラッチを削る作業は,これから始まる未知の街への扉を開く小さな儀式のようだ。車内に入ると,吊り掛けモーターの「ウーン」という重低音が響き,雨...[続く]
列車の旅

【四国一周】学生限定フリーきっぷで行く!内子の町並みと予土線・土讃線で巡る四国西側踏破旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月松山の朝,宿の部屋に差し込む光で目を覚ました瞬間,冷や汗が吹き出した。時計の針はすでに8時を回っている。予定していた列車には到底間に合わない。1時間の遅れ――旅の出だしとしては手痛い失敗であるが,それもまたローカル線旅の醍醐味と割り切るしかない。春休み。高校生である私は,JR四国が誇る破格の企画乗車券「学生限定春休み四国フリーきっぷ」(当時8,800円で3日間乗り放題)を手に,松山駅から四国の西側をぐるりと回り込み,高知へと抜ける旅に立った。曇り空からやがてしとしとと降り出した雨の中,特急列車とローカル線を乗り継ぎ,歴史ある町並みと四国の深山を駆け抜けた濃密な1日の記録である。午前8時30分:遅れを取り戻す疾走。特急「宇和海」で木と白壁の町・内子へ本来の計画より1時間遅れとなる午前9時前,松山駅のホームへ駆け込む。乗り込むのは,2000系特急「宇和海(うわかい)」である。振り子式気動車ならではの力強いエンジン音を響かせ,列車は山あいの予讃線(内子線経由)を疾走する。車窓を流れる柑橘類の畑や深い緑を眺めているうちに,わずか25分...[続く]
城跡

【松山観光モデルコース】1日乗車券で巡る名城・文学の庵・大街道・道後温泉名湯の旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月愛媛県松山市には,歴史の重みと文学の薫りが,今なお街の至る所に息づいている。司馬遼太郎が小説『坂の上の雲』で描いたように,上を向いて歩きたくなるような青空が広がるこの街は,訪れる者を優しく包み込む不思議な魅力に満ちている。眩いばかりの快晴に恵まれた昼下がり。高校生である私は,午前中に引き続きポケットの「市内線1日乗車券」を携え,松山の主要スポットを網羅する王道の観光ルートへと出発した。陽が傾き,街が黄金色に染まり,やがて夜の帳が降りるまでのわずかな時間。五感を満たす松山の歩き方を,ここに書き記す。午後1時30分:上一万から目指す,天空の城「松山城」の天守閣東側の登城道から、静寂の森を歩く旅の午後の部は,路面電車の上一万(かみいち万)駅から始まる。ここから松山城がそびえる勝山へと向かう。多くの観光客はロープウェイを利用するが,高校生らしく健脚を活かし,今回は公園の東側から徒歩で山を登るルートを選択した。一歩一歩,石畳を踏みしめて坂道を上がっていく。周囲を包む木々は春の光を浴びて青々と輝き,小鳥のさえずりが耳に心地よい。少し汗がに...[続く]
路面電車

【松山観光】路面電車1日乗車券で巡る「伊予鉄」完全攻略旅!坊っちゃん列車とダイヤモンドクロスの奇跡

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月特急列車で滑り込んだJR松山駅。駅舎を出ると,目の前にはどこか懐かしい街並みと,アスファルトに敷かれた2本の鉄路が広がっている。愛媛県松山市――ここは,日本でも有数の「路面電車王国」である。春の柔らかな光が降り注ぐ快晴の午前10時半。高校生である私は,伊予鉄道(伊予鉄)の市内電車が1日乗り放題となる「市内線1日乗車券」(当時500円)をポケットに忍ばせ,大正浪漫の香りが残る城下町へと足を踏み入れた。わずか2時間の間に,日本唯一の鉄道遺産から,夏目漱石の小説から飛び出してきたような蒸気機関車までを五感で味わう,贅沢な軌道旅の記録である。午前10時30分:JR松山駅前スタート。500円の魔法の切符を手にして松山の街を効率よく,そして深く旅するなら「市内線1日乗車券」以外の選択肢はない。これ一枚で,松山市内を縦横無尽に走る路面電車(市内電車)が何度でも乗り降り自由となる。運転士に見せるだけで済むこの切符は,見知らぬ街を旅する高校生の心をどこか大きく,自由にしてくれる。まずはJR松山駅前から,黄とオレンジ色の車両に乗り込み,東へと向か...[続く]
列車の旅

【四国一周】学生限定フリーきっぷで巡る,春の四国特急旅!高松〜松山を駆け抜ける180分の青春鉄道記

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月四国の鉄道旅といえば,青い海,どこか懐かしい木造駅舎,そして個性的で魅力的な特急列車の数々が思い浮かぶ。今回はまだ肌寒さの残る春休み。高校生である私が,JR四国が発売している破格の企画乗車券「学生限定春休み四国フリーきっぷ」を手に,快晴の四国路を駆け抜けた記録である。わずか3時間ほどの間に,ローカル線、讃岐うどん、そして瀬戸内海を望む特急列車での激走を詰め込んだ,瑞々しくも濃密な旅の始まりをここに書き残しておきたい。青春の片道切符。「学生限定春休み四国フリーきっぷ」という特権高校生という身分は,時間はあるが金がない。そんな若き旅人の強い味方が,JR四国が春季限定で設定している「学生限定春休み四国フリーきっぷ」である。当時の価格は8,800円。この切符一枚で,JR四国線全線の特急列車および普通列車の普通車自由席が,なんと3日間乗り降り自由となる。通常,高松から松山まで特急の自由席を利用するだけでも片道約5,000円(※2015年当時)を要することを考えれば,この切符がいかに破格であるかが理解できるであろう。これを使わない手はない...[続く]
列車の旅

【ジャンボフェリー乗船記】関西から四国へ最安夜行ルート!高校生が旅した2015年春の青春ドキュメント

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月はじめに:夜の帳が降りる京都駅から,旅は始まる2015年3月。春休みを迎えた高校生の胸には,まだ見ぬ土地への憧憬と,限られた小遣いという現実が同居していた。目指すは四国・高松。新幹線や特急を使えば容易に行き着く場所であるが,あえて過酷で,それでいて詩情に満ちた「夜行フェリー」の旅を選ぶ。18時30分。旅の起点である京都駅のホームには,独特の熱気が満ちていた。東海道本線(JR京都線)の主役,新快速223系が滑り込んでくる。転換クロスシートの窓側に腰を下ろすと,最高時速130km/hの咆哮とともに,列車は夜の関西を西へと疾走し始めた。喧騒の大阪駅と,消えゆくオレンジ色の記憶わずか30分弱で,列車は巨大な結節点,大阪駅へと滑り込む。ホームから階段を上がると,2011年に完成した「大阪ステーションシティ」の圧倒的な橋上駅舎が広がっていた。巨大なドーム屋根が覆う空間は,まるでヨーロッパの主要駅のような開放感を醸し出している。見下ろすホームには無数の人々が行き交い,旅情を刺激してやまない。大阪環状線のホームへふと足を伸ばした大阪環状線のホ...[続く]
列車の旅

【青春18きっぷ】東海道線横断ルート完全攻略!東京〜京都を一日で抜ける超過酷旅の全記録

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月春の訪れを告げる3月。学生たちの長い休みと重なるこの季節,ポケットに「青春18きっぷ」を忍ばせて旅に出る者は少なくない。東京駅から京都駅まで,新幹線を使えばわずか2時間半の距離である。しかし,あえて快速と普通列車だけを乗り継ぎ、11時間近くかけて東海道を横断する。それは便利さと引き換えに,日本の大動脈の息吹を肌で感じる贅沢な選択でもある。2015年3月,まだ肌寒い春の曇り空の下,高校生が挑んだ東海道横断の全記録をここに記す。07:30 東京駅|旅立ちの朝は曇天のホームから旅の始まりは朝7時半の東京駅である。巨大なターミナルは,通勤客の忙しない足音と,これから旅に出る高揚感で満ちていた。頭上を覆うのは,今にも雨が降り出しそうな低い曇り雲。しかし,これから始まる長い線路の先を思うと,胸の鼓動は高鳴るばかりである。東海道本線の普通列車に乗り込み,西へ向けて滑り出した。車窓に流れるビル群が次第に住宅街へと変わり,やがて車内にはのんびりとした旅の空気が漂い始める。09:30 熱海駅|伊豆の玄関口で出会った漆黒の衝撃小田原を過ぎ,列車が相...[続く]
街並み

【マレーシア観光決定版】高校生が旅したクアラルンプール・マラッカ3泊4日モデルコース!歴史と文化を巡るエモ旅紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年11月東南アジアの熱気が,肌にまとわりつく。2014年11月。雨季の真っ只中にあるマレーシアの地を,当時高校生であった私は踏みしめていた。近代的な高層ビルが林立する一方で,数百年におよぶ植民地時代の歴史が色濃く残る街並み。多民族が共生するこの国は,初めての海外旅行としては少し刺激が強く,そしてあまりにも魅力的であった。高校生という多感な時期に私が巡った,クアラルンプール(KL)と世界遺産の街・マラッカの旅路を,歴史的背景や旅のヒントを交えて綴る。初日:雨のクアラルンプール。信仰の静寂と,歴史の重みに触れるマレーシア国立モスク(Masjid Negara)旅の始まりは,激しいスコールとともに訪れた。空を覆う灰色の雲から,容赦なく大粒の雨が降り注ぐ。最初に訪れたのは,マレーシアのイスラム教の総本山である「マレーシア国立モスク(マスジッド・ネガラ)」である。1965年に建てられたこのモスクは,伝統的なドーム型ではなく,折りたたんだ傘のような独特の青い星型屋根を持つ。近代建築の粋を集めたその佇まいは,独立を果たした若き国家の誇りを象徴して...[続く]
列車の旅

【吾妻線・八ッ場ダム旅】115系で行く消えゆく絶景。沈みゆく川原湯温泉と日本一短いトンネルを巡るローカル線の旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年8月プロローグ:真夏の光と,消えゆく記憶を追いかけて2014年8月。うだるような暑さの夏休み,私は青春18きっぷを握りしめ,群馬県を走るJR吾妻線(あがつません)を目指していた。目的は,近い将来,八ッ場(やんば)ダムの底へと沈みゆく激動の車窓を,そして今なお昭和の面影を残す国鉄型車両の姿を,この目に焼き付けることである。高校生の私にとって,それは単なる物見遊山の旅ではなく,失われゆく歴史の一片を記録するための,少し背伸びをした「旅」であった。午前8時30分,旅の始まりは前橋駅である。群馬県の県庁所在地であるこの駅から,まずは両毛線の105系電車に乗り込んだ。カタンコトンと小気味よい音を立てて,列車は新前橋駅へと滑り込む。ここで吾妻線直通の列車に乗り換えるのだ。ホームで待っていたのは,湘南色の帯を纏った115系電車であった。重厚な鋼製車体,懐かしいコンプレッサーの音が足元から響く。冷房の効いた車内に入り,ボックスシートに身を委ねると,旅情は一気に加速した。快晴の空の下,列車は渋川駅から吾妻線へと入り,山深い吾妻川の渓谷に沿って坂を登...[続く]
列車の旅

【青春18きっぷ】信越縦断ルートガイド!115系・二本木スイッチバックから幻の臨時快速

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月夏の陽光が,信越の青い山並みを強烈に照らし出していた。2014年7月,高校生の私は,ポケットに青春18きっぷを忍ばせ,直江津駅のホームに立っていた。どこまでも続く線路の先には,まだ見ぬ旅情と,かすかな冒険心が待っている。13時過ぎ,直江津駅から乗り込んだのは,どこか懐かしいモーター音を響かせる115系普通列車である。信越本線を行くこの国鉄型車両は,昭和の面影を色濃く残し,旅人の心を否応なしに高揚させる。冷房の風と,窓から吹き込む夏の匂いが混ざり合う車内。列車が動き出すと,車窓にはきらめく日本海が遠ざかり,次第に妙高の山々が迫ってきた。妙高の険路に挑む「二本木駅」のスイッチバック列車はやがて,山あいの静かな駅,二本木駅へと差し掛かる。この駅には,現代の鉄道では珍しくなった「スイッチバック」が今なお息づいている。険しい傾斜を克服するため,列車は一度本線から外れ,引き込み線へとバックで進入していく。豆知識:スイッチバックとは?急勾配の途中に駅を設ける際,列車が安全に発着できるよう,平坦な線路を本線から分岐させて設置した構造のことであ...[続く]
列車の旅

【青春18きっぷ】旧北陸本線の旅!413系で行く富山〜直江津,秘境・筒石駅と日本海の絶景ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月はじめに:青い海と国鉄型電車が呼んでいる高校生の夏休みは,どうしてこれほどまでに短く,そして眩しいのだろうか。ポケットに押し込んだ「青春18きっぷ」を改札で印籠のようにかざし,私は午前9時30分,活気に満ちた富山駅のホームに立っていた。目指すは新潟県の直江津駅。2015年春の北陸新幹線開業を控え,この「北陸本線」が第三セクターへ移管される前の,おそらく最後になるであろう夏の旅だ。ホームに滑り込んできたのは,白い車体に青い帯の413系普通列車である。急行型譲りの重厚なモーター音と,どこか懐かしい油の匂い。自動扉が開くと同時に車内へ歩を進め,私は迷わず進行方向左側,つまり海側のボックスシートに陣取った。定刻,列車はガタゴトと音を立てて走り出す。富山平野を駆ける:車窓に広がる新旧のコントラスト富山駅を出発してしばらくは,車窓が目まぐるしく変化する。左手を見れば,魚津の街並みの向こうにミラージュランドの観覧車が小さく見え,旅情を誘う。目を凝らせば,地元の足として親しまれている富山地方鉄道のレトロな車両が,こちらの国鉄型電車と競うように...[続く]
列車の旅

【富山】氷見線で巡る絶景ローカル線の旅!雨晴海岸の車窓とおすすめ撮影ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月朝の静寂を切り裂いて:富山駅から始まる夏の旅夏休みの朝は早い。午前5時を過ぎたばかりの富山駅は,まだ本格的な始動を前にした静けさに包まれていた。北陸新幹線の開業を翌年に控え,駅周辺はどこか慌ただしい工事の気配を漂わせているが,在来線ホームに漂う空気は昔ながらの旅情そのものである。高校生の私は,青春18きっぷを片手に,5時半過ぎの北陸本線普通列車に乗り込んだ。目指すは高岡駅,そしてその先に待つローカル線「氷見線」である。車窓を流れるのは,朝露に濡れた富山平野の水田だ。列車が立山連峰のシルエットを背にしながら,ガタゴトと音を立てて進むうち,わずか20分ほどで高岡駅に到着した。ここで氷見線へと乗り換える。ホームで待っていたのは,朱色のキハ40形気動車――ではなく,富山県氷見市出身の漫画家・藤子不二雄Ⓐ氏の代表作『忍者ハットリくん』のキャラクターたちが鮮やかに描かれたラッピング列車であった。ローカル線らしい遊び心に笑みがこぼれる。ディーゼルエンジンの力強い重低音が足元から響き,5時49分,列車はゆっくりと高岡駅を離れた。藍色の海に浮か...[続く]
路面電車

【富山路面電車観光】富山地方鉄道・ライトレールで巡る1日モデルコース!夕暮れの岩瀬浜からライトアップ富山城まで情緒あふれる鉄道旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月はじめに:近未来のトラムと、大正浪漫の残影と車窓を流れる景色が,ゆっくりと,しかし確実に色を変えていく。富山県は,日本でも有数の「路面電車王国」である。2014年現在,この街には2つの対照的な路面電車が走っている。最先端の低床車両が近未来的な近郊風景を駆ける「富山ライトレール」と,古き良き昭和の,あるいは大正の面影を色濃く残す「富山地方鉄道(地鉄)」の市内電車だ。7月のとある一日,快晴。時計の針が16時を指す頃,私は富山駅北停留場に立っていた。これから始まるのは,わずか4時間,しかし永遠のようにも感じられる,光と影を追いかける小旅行である。富山駅北から近未来の「ポートラム」で北へ旅の始まりは,富山駅の北側からだ。白を基調としたスタイリッシュな車両「ポートラム」が,静かに滑り込んできた。かつてのJR富山港線をLRT化(次世代型路面電車システム)したこの路線は,近代的な佇まいで街に溶け込んでいる。乗車すると,大きな窓から夏の強烈な西日が差し込んできた。快晴の空はどこまでも青く,車内の冷房が火照った肌に心地よい。電車は市街地を抜ける...[続く]
列車の旅

【富山地方鉄道】ダブルデッカーエキスプレスで宇奈月温泉へ!車窓の見どころとおすすめ下車駅ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月富山地方鉄道の誇る「動く特等席」ダブルデッカーエキスプレスとは富山県の東部に広がる広大な田園風景と,その向こうにそびえる壮大な立山連峰。この美しい景色を最高の特等席から眺めるための列車が,富山地方鉄道(以下、富山地鉄)に存在する。その名も「ダブルデッカーエキスプレス」である。かつて京阪電気鉄道で「テレビカー」として親しまれた3000系車両を導入し,2013年に運行を開始したこの特急列車は,3両編成の中央に「2階建て車両(ダブルデッカー)」を組み込んでいる。金色に輝く時代絵巻の時代行列が描かれた車体は,どこか優雅で,旅人の心を躍らせる。今回は,2014年7月の眩しい初夏の光の中,高校生である筆者がこの名列車に乗り込み,黒部、そして歴史ある上市・寺田を巡った旅の記録である。快晴の空の下,風を切り裂いて走る地鉄の魅力を,あますところなくお届けしたい。電鉄富山駅:黄金の2階建て特急,いざ出発旅の始まりは,富山の交通の要衝である電鉄富山駅である。昼間の明るい時間帯の光が,ホームに滑り込んできた京阪カラー――上品な黄色の車体を鮮やかに照ら...[続く]
駅巡り

【富山地方鉄道】木造駅舎を巡るローカル線の旅。立山線のおすすめ無人駅ルートと歴史を徹底解説

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月まえがき:時が止まった,真夏の木造駅舎を歩く2014年7月,うだるような暑さのなか,私は富山地方鉄道の起点である電鉄富山駅に立っていた。高校生の私にとって,この夏の旅は単なる移動ではなく,大正から昭和の記憶が残る「生きた建築」を探す冒険であった。富山地方鉄道(通称・地鉄)は,全国的にも極めて珍しい,往時の姿を色濃く残す木造駅舎の宝庫である。立山連峰の麓へと続く線路の上を,快晴の朝の光が眩しく照らしていた。これから始まるのは,どこか懐かしく,胸が締め付けられるような,真夏の木造駅舎巡りの記録である。旅の始まり:電鉄富山駅から急行で一気に立山駅へ午前7時過ぎ,電鉄富山駅のホームには清々しい朝の空気が満ちていた。乗車するのは立山行きの急行列車である。モーター音を響かせながら,列車は富山平野を滑り出した。車窓からは,青々とした水田の向こうに,夏の光を浴びて輝く立山連峰の雄大なシルエットが見える。列車は徐々に高度を上げ,終点の立山駅へと到着した。ここは立山黒部アルペンルートの玄関口であり,観光客で賑わいを見せるモダンな駅である。しかし,...[続く]
列車の旅

【高山本線・乗車記】夕暮れのローカル線で旅情に浸る。富山〜猪谷,キハ120形が運ぶ夏の終わりのノスタルジーと歴史の足跡

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月旅の始まり:真夏の富山駅から,高山本線のディーゼルカーへ2014年7月,うだるような暑さが残る夕暮れ時。私は富山駅のホームに立っていた。北陸新幹線の開業を翌年に控え,高架化工事が進む駅構内は,どこか慌ただしい熱気に包まれている。しかし,これから乗り込む高山本線のホームだけは,都会の喧騒から切り離されたかのような,独特の緩やかな時間が流れていた。目指すは,富山県と岐阜県の県境に位置する境界駅,猪谷(いのたに)だ。ホームで待っていたのは,朱色とクリーム色のツートンカラーをまとったコンパクトな気動車,キハ120形である。わずか2両,または2両で走るこのディーゼルカーは,ローカル線旅の最高の主役だ。【2014年7月当時・富山駅のワンポイント】当時の富山駅は新幹線開業直前の過渡期。地上ホームと仮設ホームが混在し,旅情と開発のエネルギーが同居する独特の雰囲気であった。夕方16時を過ぎた車内は,学校帰りの高校生や,買い出し帰りの地元住民で予想以上に混雑していた。すべてのボックス席とロングシートは埋まっており,私はドア付近で立ち席を余儀なくさ...[続く]
路面電車

【富山観光】新時代の路面電車「富山環状線」乗車記!ルート・見どころ・歴史を徹底解説

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月夏の強い日差しが,線路のバラストを白く焼き焦がす。夏休み。私は青春18きっぷを握り締め,北陸の地に立っていた。新幹線の開業を翌年に控え,変わりゆく熱気に包まれた富山の街。そこには,日本最先端の「コンパクトシティ」を目指す,美しき路面電車の姿があった。高岡から富山へ,そして新時代のトラムを巡る,ある夏の日の記録である。始まりは高岡駅,伝説の寝台特急との邂逅旅の始まりは高岡駅である。新幹線開業を控えた街はどこか慌ただしく,同時に一つの時代が終わる寂しさを湛えていた。14時過ぎ,ホームに独特の重低音が響く。大阪発札幌行きの寝台特急「トワイライトエクスプレス」の滑り込みであった。深緑に黄色の帯を纏った優雅な車体は,北の大地への長い旅路の途上にある。食堂車「ダイナープレヤデス」の窓越しに見える白いテーブルクロスが,高校生の私には酷く大人びて,眩しく映った。やがて,重厚なホイッスルを残して列車はゆっくりと北へ向かって動き出す。その長い尾を引くような去り際を見送った後、私は後を追うように普通列車へと乗り込んだ。富山駅到着,そして「南北」の路...[続く]
路面電車

【万葉線・新湊大橋】青春18きっぷで行く高岡路面電車の旅!観光ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月はじめに:青春18きっぷで降り立つ,夏の高岡駅金沢方面からの普通列車に揺られ,ガタゴトと響く線路の音に耳を傾けているうちに,列車は高岡駅へと滑り込んだ。7月の太陽は容赦なく照りつけ,ホームに降り立った瞬間に,ねっとりとした夏の空気が身体を包み込む。高校生の私にとって,この「青春18きっぷ」を使った気ままな旅は,少しの緊張と,それを遥かに上回る高揚感に満ちていた。北陸新幹線の開業を翌年に控え,新しく生まれ変わった高岡駅。その一角に,目指す「万葉線」の乗り場はある。かつての地上ホームから装いを新たにし,駅ビル「クルン高岡」の1階へと乗り入れた近未来的なステーションだ。券売機で「万葉線1日フリーきっぷ(大人800円)」を購入する。これ一枚で,これから向かう路面電車の旅がすべて自由になる。心強い相棒をポケットにしまい,私はホームへと向かった。未来型の低床車両「アイトラム」で越ノ潟へホームで待っていたのは,鮮やかな赤い車体が目を引く超低床車両「アイトラム(MLRV1000形)」である。路面電車といえば古めかしい車両を想像していたが,目の...[続く]
列車の旅

【青春18きっぷ旅】普通列車で巡る福井縦断ローカル線の旅!敦賀・武生・福井鉄道・えち鉄を巡るノスタルジック鉄道紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月夏の光が,すべてを眩しく照らしていた。高校生の私は,1枚の「青春18きっぷ」を手に,これから始まる長い鉄路の始まりである敦賀駅の,少しひんやりとした跨線橋を渡っていた。北陸新幹線の金沢開業を翌年に控えたこの夏,北陸の鉄路は大きな変革の刻(とき)を迎えようとしている。今しか見られない景色,今しか聴けない音。それを心に刻むための,夏休みの旅である。敦賀から武生へ:北陸本線の俊足普通列車と「北陸トンネル」の闇敦賀駅のホームには,交直流電車の521系が静かに佇んでいた。2両編成のステンレス車体が,夏の強い陽射しを跳ね返して輝いている。車内に入り,進行方向左側のクロスシートに身を沈める。定刻,列車は滑るように動き出した。加速するにつれて,モーターの硬質な音が車内に響く。しばらくすると,列車は日本屈指の長さを誇る「北陸トンネル」(13,870メートル)へと突入した。■北陸トンネルとは?1962年に開通したこのトンネルは,かつて杉津(すいづ)経由で急勾配を喘ぎながら越えていた木ノ芽峠を,一気に貫いた歴史的建造物である。車窓は一瞬にして漆黒の...[続く]
列車の旅

【消えゆく座席夜行】「ムーンライトながら」が紡ぐ,東京から北陸への長距離鈍行旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月はじめに:東京の夜,鉄路の旅の始まりかつて,日本の夜には無数の夜行列車が走っていた。ブルートレインが次々と姿を消した2014年現在,東京から東海道を結ぶ最後の砦として君臨するのが,臨時快速「ムーンライトながら」である。青春18きっぷが利用できるこの列車は,安価に,そしてどこまでも遠くへ行きたいと願う若者たちの聖地であった。当時高校生だった私は,有り金すべてを握りしめ,まだ見ぬ西国へと向かうため,夏の新宿駅に立っていた。小田急線で小田原へ。18きっぷの「裏ワザ」移動旅の始まりは,JRではなく小田急電鉄の新宿駅からである。旅人の知恵:なぜ小田原スタートなのか?「ムーンライトながら」は東京駅を23時10分に出発する。しかし,そこで青春18きっぷに入鋏(スタンプ)してしまうと,日付が変わるまでのわずか50分ほどのために,1日分(2,370円相当)を消費することになってしまう。それを回避するための定番ルートが,「小田急線の急行で小田原駅まで先回りする」という方法である。小田急線の運賃は安く,新宿から小田原までわずか880円(※2014年...[続く]
船旅

【隅田川水上バス】時をかける水の路。初夏の隅田川クルーズ旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年6月陸の上を歩いているだけでは,東京という街の本当の輪郭は見えてこないのかもしれない。2014年6月。どこか遠くで夏の手真似が聞こえるような,陽光の眩しい昼下がり。私たちは浅草の吾妻橋の袂にいた。今回は,江戸の昔から物流と文化を支え続けてきた東京の母なる川,「隅田川」を水上バスで下る旅の記録である。高校生という少し背伸びをしたい季節の私たちが,船上から見つめた都市の過去と未来,そして水面(みなも)が織りなす情緒をここに書き残しておきたい。始まりは朱の架け橋。水上の特等席へ浅草のシンボル,鮮やかな朱塗りの吾妻橋。その下に滑り込むようにして,私たちが乗り込む水上バスは静かに待機していた。隅田川に浮かぶ,非日常の入り口乗船口を抜け,船内に一歩足を踏み入れると,ガラス越しに切り取られた世界は一気に低くなる。目線が水面に近づくだけで,見慣れた東京の風景が,まるで異国の街並みのように新鮮に映るから不思議である。昼過ぎの太陽は容赦なく照りつけ,川面を無数のダイヤモンドを撒き散らしたかのように煌めかせていた。ゴゴゴ,と低く重厚なエンジン音が響き,...[続く]
街並み

【東京タイムトラベル】伝統と未来が交差する街。スカイツリーから浅草への日帰りノスタルジー

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年6月東京という街は,過去と未来が奇妙なバランスで同居している。2014年の初夏,6月の風はどこか少し汗ばむ気配を孕みながらも,見上げるほどの青空を連れて私たちの前に現れた。今回は,まだ真新しさを残す電波塔から,江戸の息吹を残す古刹へと歩を進めた,ある日の旅の記録である。高校生の視点から切り取った,新旧の東京が織りなすコントラストを,情景とともに書き残しておきたい。眩惑のタワーと,初夏の光を集める街東京スカイツリータウンに降り立ったとき,最初に出迎えてくれたのは,網膜を刺すような圧倒的な白だった。圧倒的な垂直の美。見上げる視線の先,雲一つない青空に向かって,東京スカイツリーは一本の巨大な光の針のようにそびえ立っていた。伝統的な日本建築の「反り」や「起り」を意識したというそのシルエットは,ただの鉄塊ではない。どこか有機的な美しさを湛えている。足元から頂点へと視線を滑らせるだけで,首の骨がきしむような感覚と同時に,目眩にも似た高揚感が胸を突いた。賑わいのモールを抜けて。まだ午前中の澄んだ空気の中,東京ソラマチの内部へと足を向ける。ガラス...[続く]
駅巡り

【時をかける秘境駅】日本一短い芝山鉄道と,成田空港の底に眠る「東成田駅」を旅する

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年6月かつて国の威信をかけて造られた巨大空港の,その足元に「忘れ去られた時間」が眠っているのを知っているだろうか。2014年6月,梅雨の晴れ間の青空はどこか白く霞んでいた。高校生の私は,ポケットに詰め込んだ僅かな小遣いを手に,日暮里駅のホームに立っていた。目指すは,日本一総営業距離が短い鉄道「芝山鉄道」,そしてかつての成田空港駅でありながら,今は隔離された迷宮のように佇む「東成田駅」である。今回は,昭和の熱気と時代の波に翻弄された,千葉の秘境鉄路を巡る旅の記録である。京成電鉄の各駅停車に揺られて旅の始まりは日暮里駅からだ。快特やスカイライナーが最高時速160kmで駆け抜ける成田スカイアクセス線を横目に,私はあえて本線の「普通」列車に乗り込んだ。車窓から流れゆく下町の景色が,第に緑豊かな房総の田園風景へと移り変わっていく。モーターの唸りと,ジョイントの刻む規則正しいリズムが心地よい。高校生の退屈な日常から,少しずつ非日常へと現実が剥がれ落ちていく感覚に,胸が小さく高鳴った。宗吾参道駅で乗り換え,さらに進むと列車は「東成田線」へと分岐す...[続く]