乗車:2014年3月
旅の序章:茜色の疾風が奥羽の山々を抜けて,秋田へ
東北の雄大な自然を切り裂くように,鮮烈な「飛来赤(ハヤブサレッド)」の車体がホームへ滑り込む。2013年春にデビューを果たし,当時の鉄道界に衝撃を与えたE6系新幹線「スーパーこまち」。奥羽山脈の険しい山岳地帯を縫うように走る田沢湖線を時速130km(在来線規格区間)で駆け抜け,東北新幹線の区間に入れば最高時速300kmの圧倒的なスピードで東京と秋田を結ぶ,まさに現代の「走る工芸品」である。
SNSや美しい鉄道写真でその洗練された流線形のデザインを目にし,「実際にあの赤い新幹線に乗ってみたい」「車窓から見る田沢湖や雪山の景色を体験したい」と夢を馳せている旅人は多いはずだ。
2014年3月,東北一筆書きの旅路の途上で乗り込んだ「スーパーこまち17号」。その優美な外観,洗練された車内の空気感,そして予約から乗車時のリアルな注意点までを余すことなく紐解いていく。
この記事でわかること
- E6系「スーパーこまち」の基本情報・運賃・盛岡〜秋田間の所要時間
- 指定席・グリーン席の快適な設備と、絶景を堪能できる「おすすめの座席」
- 乗車券の予約方法(1ヶ月前からの手配ルール)とお得な切符の選び方
- 田沢湖線区間における雪景色・揺れ・荷物置き場に関するリアルな注意点
E6系新幹線スーパーこまちの基本情報(料金・所要時間・ルート)
「スーパーこまち」は全車指定席(一部時期を除き全席指定)で運行される,東北・秋田新幹線の特急列車である。
運賃・料金表(盛岡駅 〜 秋田駅 / 2014年3月乗車当時基準)
| 席種 | 乗車券+特急料金(片道・大人) | 子ども料金(片道) | 備考 |
| 普通車指定席 | 5,400円前後(通常期) | 半額程度 | 2×2列のゆったりとした座席配置 |
| グリーン車 | 7,800円前後(通常期) | 半額程度 | 2×2列の極上リクライニングシート |
※盛岡駅〜秋田駅間は田沢湖線(在来線区間)を経由するため,東北新幹線の新幹線区間とは異なり,線路規格の関係で最高速度が制限される特殊な区間である。
所要時間と運行スケジュール
- 所要時間: 盛岡駅発〜秋田駅着まで,およそ1時間30分前後。
- 運行スケジュール: 東京駅から仙台・盛岡を経て秋田へ向かう列車が1日あたり複数往復(当時は「スーパーこまち」愛称で運行)設定されている。
安く乗る方法・割引チケットの情報
- 「えきねっと」の事前予約割引: JR東日本のネット予約サービスを利用することで,早期予約による割引特急券(トクだ値など)が適用される場合があり,コストを抑えて乗車したい場合に極めて有効である。
チケットの予約・購入方法(いつから? どこで買える?)
E6系「スーパーこまち」は全車指定席のため,事前の座席確保が乗車の絶対条件となる。
予約のタイミングと手順
- 予約開始日: 乗車日の1ヶ月前の午前10時から,全国のJR駅「みどりの窓口」や「話せる指定席券売機」,およびJR東日本のWeb予約サイト「えきねっと」が一斉に受付を開始する。
- おすすめの予約手段: 2014年当時からも主流であったWeb予約システムを利用すれば,自宅にいながら希望の座席位置(窓側・通路側など)を指定して確保できるため非常にスムーズである。
予約が取りにくい場合のコツ
春休みやゴールデンウィーク,あるいは雪景色を求めて乗車する観光シーズンは,窓側の席や進行方向の景観が良い席から瞬く間に満席となる。発売開始日の10時打ち,または事前の「事前受付サービス」を活用して確実に席を押さえておくのが鉄則である。
車内設備と快適な過ごし方
工業デザイナー・奥山清行氏が手がけたE6系の車内は,日本の伝統色である「稲穂の黄金色」と「漆器の艶やかな赤」を基調とし,新幹線というよりは高級ホテルのラウンジを思わせる気品に満ちている。
車内設備一覧
- 座席配置(普通車): 東北新幹線E5系「はやぶさ」と同様に,2×2列のゆったりとした座席配列を採用。横幅に余裕があり,窮屈さを感じさせない。
- コンセント: すべての座席(窓側および通路側)の足元または肘掛け付近に全席コンセントが完備されており,スマートフォンの充電などに極めて重宝する。
- Wi-Fi・アメニティ: 車内Wi-Fiサービスは当時は未普及であったため,オフラインでの読書や車窓の鑑賞を楽しむのが粋である。トイレは車椅子対応の洋式トイレや洗面台が清潔に保たれている。
おすすめの座席:どちら側の車窓を選ぶべきか?
盛岡駅から秋田駅へ向かう際,進行方向に向かって「右側(北側)」の座席を確保することを強くおすすめする。
田沢湖線区間に入ると,日本一の深さを誇る神秘的な「田沢湖」の青き湖面や,残雪を頂く雄大な秋田駒ケ岳の山並みが次々と車窓に飛び込んでくる。息をのむような絶景を間近に捉えるなら,絶対に右側の窓側席を指名したい。
持ち込むべきおすすめアイテム
- 温かいテイクアウトの飲み物・駅弁: 盛岡駅のホームやコンコースで購入した郷土色豊かな駅弁を,コンセント完備の快適な座席で味わうひとときは鉄道旅の最高のエッセンスである。
- 防寒具・ひざ掛け: 3月下旬とはいえ,東北の山岳エリア(田沢湖線沿線)はまだまだ寒さが厳しいため,体温調節ができる上着があると安心だ。
実際乗ってみてわかった注意点・デメリット
洗練されたスーパーこまちであるが,在来線区間を走る「ミニ新幹線」ならではの特性や注意点が存在する。
注意点1:田沢湖線区間特有の揺れと音
E6系は新幹線規格の線路(盛岡〜東京間)では時速300kmの滑らかな走行を見せるが,盛岡〜秋田間の田沢湖線(在来線改良区間)に入ると,急勾配や連続するカーブをクリアするため,車体が左右に小刻みに揺れたり,線路の継ぎ目を走る音が大きくなったりする。乗り物酔いしやすい体質の人は,乗車前に酔い止め薬を服用しておくと万全である。
注意点2:大型荷物の置き場制限
デッキ付近には荷物置き場が設置されているが,大型のスーツケースやバックパックを持ち込む場合,普通車内の座席背後スペースや足元の広さに限りがある。大きな荷物はできる限り事前に宿泊先へ配送しておくか,駅のロッカーに預けるスタイルのほうがスマートに移動できる。
注意点3:悪天候(雪や風)による遅延のリスク
奥羽山脈を越える田沢湖線は,冬から春先にかけての季節風や大雪の影響を受けやすい区間である。万が一の遅延に備え,到着後のスケジュールにはあらかじめ余裕を持たせておく心構えが必要である。
到着後のアクセス・併せて使いたいサービス
終点の秋田駅に到着した瞬間から,日本海側の豊かな食文化と歴史ロマンあふれる秋田の街が旅人を迎えてくれる。
- 到着後の二次交通: 秋田駅前からは,男鹿半島や乳頭温泉郷,角館方面へ向かう路線バスやレンタカーの発着拠点が整っている。さらに足を伸ばして東北の秘湯や名所を巡るなら,駅周辺でレンタカーを手配してドライブ旅へ繰り出すのが最良の選択肢である。
- ホテル・宿泊の手配: 秋田市内で名物の「稲庭うどん」や「きりたんぽ」を味わい,温泉宿で旅の疲れを癒やすなら,駅周辺のホテルを事前に確保しておきたい。
まとめ&あわせて読みたい記事
盛岡から秋田へと奥羽山脈を貫いて駆け抜けるE6系新幹線「スーパーこまち」。それはただの移動時間を短縮するための道具ではなく,日本の最先端技術と美しいデザインが融合した,生涯忘れられない「動く絶景美術館」そのものである。
茜色の疾風に身を委ね,東北の原風景と美食が待つ秋田への鉄道旅に出かけてみてはいかがだろうか。
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このE6系「スーパーこまち」の乗車は,2014年3月に巡った「寝台特急あけぼの」を追いかける東北一筆書きの旅のクライマックスを飾る一幕です。水郡線や仙台,松島,そして最終目的地であるブルートレインへと繋がる全体のモデルコース・費用内訳・スケジュールについては,ぜひ以下の記事をご覧ください。








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