乗船:2013年7月
漆黒の日本海へ漕ぎ出す洋上のホテル:「フェリーあざれあ」で行く夜行航海
深夜の港に静かに横たわる白い船体。新潟港フェリーターミナルに佇む「新日本海フェリー フェリーあざれあ」は,単なる移動手段としての船という枠組みを遥かに超えた巨大な洋上のホテルである。敦賀から新潟・秋田を経由して苫小牧東へと至る寄港便航路は,古くは北前船が往来した歴史ある海上の道筋でもある。
夜,重厚なドラの音とともに船体が岸壁を離れると,漆黒の海原と街の灯りがゆっくりと遠ざかっていく。客船並みの優雅なエントランス,海を望む大浴場,そして静寂に包まれた客室。格安旅を楽しむ若者やバックパッカーから,ゆったりとした時間を愛する旅行者までを魅了して止まない「あざれあ」の魅力,船内環境,乗船手順,そして快適に過ごすための注意点を徹底的に解説する。
この記事でわかること
- 「新日本海フェリー フェリーあざれあ」の運賃・所要時間・運行スケジュール(訪問当時)
- 乗船手続きから船内へのアプローチ,およびWEB予約の手順
- ツーリストB(寝台)や大浴場など船内設備の使い勝手とおすすめの過ごし方
- 揺れ対策や荷物管理の注意点,到着後の二次交通アクセス
新日本海フェリー フェリーあざれあの基本情報(料金・所要時間・ルート)
敦賀〜苫小牧東を結ぶ寄港便航路のうち,本記事では新潟港から秋田港までの夜行区間をピックアップする。
基本情報一覧(2013年7月乗船当時・新潟〜秋田区間目安)
| 等級・客室タイプ | 大人通常運賃(片道) | 学割適用運賃 | 部屋・座席の特徴 |
| ツーリストB | 4,800円 | 3,840円 | 2段ベッド形式(カーテン仕切り・電源あり) |
| ツーリストA | 5,800円 | 4,640円 | ステップ登り型2段ベッド(個室感アップ) |
| ステート / デラックス | 9,000円〜 | – | 専用バス・トイレ完備の個室タイプ |
※運賃は時期(A〜C期間)により変動。学生であれば学生証提示で20%割引が適用される。
所要時間と運行スケジュール(新潟 〜 秋田区間)
- 乗船区間:新潟港 23:30発 〜 秋田港 翌朝5:50着
- 所要時間:約6時間30分
- 全航路スケジュール:敦賀発 10:30 〜 新潟 22:30着/23:30発 〜 秋田 翌5:50着/6:15発 〜 苫小牧東 16:45着
安く乗る方法・お得な手配
学生割引のほか,WEB予約割引などの各種キャンペーンを事前にチェックしておくことが鉄則である。前後の鉄道移動や宿泊と組み合わせる場合は,大手ポータルサイトを活用してスマートにプランを組み立てよう。
チケットの予約・購入方法(いつから?どこで買える?)
繁忙期は早期に満室となるため,事前の予約手順を把握しておくことが重要である。
予約開始日と受付タイミング
- 予約開始時期:乗船日の「2ヶ月前」の同日午前9:00より予約受付開始。
- 予約手順:
1. 新日本海フェリー公式サイト(WEB予約)または電話予約センターから申し込み。
2. WEB予約の場合,クレジットカード等で事前決済を行い、QRコード付きの乗船券(e乗船券)を発行する。
3. 当日はターミナルの自動チェックイン機または窓口にQRコードをかざして手続きを行う。 - 予約が取りにくい時期のコツ
お盆や夏休み期間(7月下旬〜8月)のツーリスト格安区画は発売直後に完売しやすい。2ヶ月前の発売開始時刻に合わせてアクセスするのが確実である。
船内設備と快適な過ごし方:夜行フェリーを遊び尽くす
客室の種類と「おすすめの座席・寝台」
- ツーリストB(寝台タイプ)
格安旅で最もおすすめなのがツーリストBである。二段ベッド形式であるが,各ベッドにはプライベートカーテン,読書灯,コンセントが完備されている。 - おすすめの配置
静かに眠りたい場合は,エンジン音や人の往来から少し離れた区画奥側のベッドを指定(またはリクエスト)するのがコツである。
船内設備と持ち込むべきアイテム
アメニティ・設備
- 展望大浴場:海を眺めながら入浴可能。シャンプー・ボディソープ完備(ドライヤーあり)。
- プロムナード・フォワードサロン:海が一望できるフリースペース。
- 自販機・売店:カップ麺,お菓子,ジュース,アルコール類が販売されている。
持ち込むべきおすすめアイテム
- コインロッカー用の100円玉:貴重品管理に必須。
- 羽織るもの・防寒具:船内のエアコンディショニングや夜間のデッキは夏場でも肌寒い。
- テイクアウト飯・夜食:深夜便のためレストラン営業時間は限られる。新潟駅などで軽食を買って持ち込むと重宝する。
実際乗ってみてわかった注意点・デメリット
快適な洋上の旅であるが,事前に注意すべきポイントもいくつか存在する。
横揺れと音(酔いやすさへの対策)
日本海は天候によってピッチング(前後揺れ)やローリング(左右揺れ)が発生しやすい。大型フェリーゆえにフィンスタビライザー(横揺れ防止装置)を備えているが,過信は禁物である。乗船30分前に酔い止め薬を服用し,揺れを感じたらベッドで横になるのが最良の対策である。
荷物置き場の広さと持ち込み制限
ツーリストBの場合,大型のスーツケースはベッド脇の足元スペースや通路の荷物置き場に保管することになる。貴重品は必ず肌身離さず持ち歩くか,船内の貴重品用ロッカーを利用されたい。
深夜着・早朝着の行動計画
秋田港到着は早朝5:50である。船内アナウンスは到着の30分前(5:30頃)から流れるため,身支度を早めに整えておく必要がある。
到着後のアクセス・併せて使いたいサービス
早朝に秋田港へ到着した後の二次交通をスムーズに確保することが,旅の満足度を左右する。
到着後の二次交通案内
- 秋田港からの移動
路線バス:秋田港フェリーターミナルからJR秋田駅行き路線バス(秋田中央交通)がフェリー到着に合わせて運行されている(所要約25分)。
タクシー / 徒歩:JR土崎(つちざき)駅まで徒歩で約25分〜30分。早朝の涼しい空気の中を歩くのも乙なものである。 - 秋田市民市場(秋田港からアクセス)
秋田着(5:50)の後,土崎駅から秋田駅へ移動し早朝5時から営業の「秋田の台所」を楽しめる。海鮮丼や地場野菜が味わえる。

レンタカー・宿泊の手配
秋田港から男鹿半島や十和田湖方面へ足を伸ばすなら,秋田駅前からのレンタカー予約が非常に便利である。楽天トラベル等で事前に予約を済ませておこう。
まとめ:風と波の音に包まれる洋上夜行の魅力
「新日本海フェリー フェリーあざれあ」で過ごす夜は,日常の喧騒から完全に切り離された特別な時間である。暗闇の日本海を滑るように進む船内で,波の音を聞きながら深い眠りにつき,目が覚めれば見知らぬ北の大地の港が目の前に迫っている。
鉄道旅とはまた異なる情緒とロマンに溢れたフェリーの旅。あなたも一度,夜行フェリーのタラップを上がってみてはいかがだろうか。
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