乗車:2013年7月
海底を穿つ鉄路と国鉄型の誇り:485系「特急 白鳥」が誘う海峡の旅情
本州の北端・青森と,北の大地の玄関口・函館。青函連絡船が波間に描いた航路を引き継ぎ,海底深くを穿った津軽海峡線(青函トンネル)を疾走していたのが,JR東日本とJR北海道が共同で運行した485系「特急 白鳥」である。
かつて北陸路や羽越路を駆け抜けた昭和の名車・485系3000番台。リニューアルされたスタイリッシュな顔立ちと重厚なモーター音を響かせ,海底53.85kmの青函トンネルへと飛び込んでいく時間は,単なる都市間移動を超えた感動のドラマであった。吉岡海底駅や竜飛海底駅といったトンネル内の特殊駅を通過し,海を越えて北の大地へ上陸する感覚は,この列車でしか味わえない唯一無二の体験である。本記事では,乗車手順からおすすめの座席,車内設備,そして快適な滞在のコツまでを詳しく解説する。
この記事でわかること
- 485系「特急 白鳥」の運賃・所要時間・主要停車駅(2013年訪問当時)
- えきねっとや「みどりの窓口」での予約方法とおすすめの座席ポジション
- 青函トンネル通過時の車内案内や485系3000番台の快適な車内設備
- 津軽海峡線の揺れ・遅延への対策と函館到着後の二次交通・ホテル手配
485系「特急 白鳥」の基本情報(料金・所要時間・ルート)
「特急 白鳥」は,青森駅(一部は新青森駅)と函館駅の間を津軽線・海峡線・江差線・函館本線経由で結ぶ俊足特急である。
運賃・料金表(2013年7月乗車当時)
| 区分 | 区間(青森 〜 函館) | 備考 |
| 普通車自由席(大人) | 5,340円(乗車券 3,150円 + 自由席特急券 2,190円) | 青春18きっぷ単体不可・北海道&東日本パスなら特急券追加で乗車可能 |
| 普通車指定席(大人) | 5,850円(乗車券 3,150円 + 指定席特急券 2,700円) | 通常期の価格(繁忙期・閑散期で変動あり) |
| グリーン車指定席(大人) | 7,420円(乗車券 3,150円 + グリーン特急券 4,270円) | 1号車前寄りのパノラマ・半個室風シート |
所要時間と主な停車駅のスケジュール
- 全区間(青森 〜 函館)所要時間:約2時間00分〜2時間15分
- 主な停車駅
青森 – 蟹田 -(津軽今別)-(竜飛海底)-(吉岡海底)- 木古内 – 五稜郭 – 函館
※竜飛海底駅・吉岡海底駅・津軽今別駅は一部の列車のみ停車(または見学体験便のみ扱い)。
安く乗る方法・お得な手配
「青春18きっぷ」「北海道&東日本パス」を使用している場合,蟹田〜木古内間の利用に限り特定特急券(自由席)の追加で乗車できる特例が存在した。現在の北海道新幹線や津軽海峡アクセスにおいても,ポータルサイトでのお得なフリーパスやパックツアーの早期予約を活用するのが鉄則である。
チケットの予約・購入方法(いつから? どこで買える?)
津軽海峡を越える要衝路線のため,観光シーズンや行楽期には指定席が早期に埋まる傾向にあった。
予約開始日・受付タイミングと購入手順
- 予約開始時期
乗車日の1ヶ月前(前月の同日)の午前10:00より全国一斉発売。 - 購入場所
JRの「みどりの窓口」,指定席券売機,およびJR東日本の「えきねっと」,JR北海道の予約サービス。 - 予約が取りにくい時期と確保のコツ
夏休み(7月〜8月)やゴールデンウィークの函館行きは非常に混雑する。「えきねっと」等のシートマップ機能を駆使し,1ヶ月前の発売開始時刻に合わせて狙いの座席を手配するのが確実であった。
車内設備と快適な過ごし方:青函トンネルをくぐる2時間の航海
座席の種類と「おすすめの座席(A席・D席の選び方)」
485系3000番台は6両編成(多客期は8両編成)で構成され,1号車の半車がグリーン車,残りが普通車指定席・自由席となっている。
- おすすめの座席ポジション
津軽半島の陸奥湾・函館湾を望むなら「A席(進行方向右側:青森発時)」:蟹田付近での陸奥湾や,函館到着手前で広がる函館山の姿を眺めることができる。
青函トンネル通過時の楽しみ方:海底トンネル侵入時には車内電光掲示板に「ただいま青函トンネルに入りました(水深140m)」といったインフォメーションが流れ,旅情を大いに盛り上げてくれる。 - 座席の設備
リニューアルされた座席は座面スライド機能を備えており,可動式ヘッドレストも完備。長距離移動でも疲れにくい優れたホールド感誇る。
車内アメニティと持ち込むべきアイテム
- 車内設備
各車両に清潔なトイレ・洗面所を完備。1号車付近には多目的トイレも設置。
※昭和生まれの国鉄型リニューアル車のため,座席のコンセントやWi-Fi設備はない。 - 持ち込むべきおすすめアイテム
モバイルバッテリー:トンネル区間(約25分間)は電波が遮断されるため,スマホのバッテリー消費対策に必須である。
防寒具・羽織るもの:トンネル内は年間を通じて冷涼であり,車内の空調が強めに効くことがあるため,薄手の羽織ものがあると重宝する。
青森駅の名物駅弁:「伯養軒の鮭はらこめし」などを車内に持ち込み,青函トンネルを抜けながら味わうのは最高の贅沢である。
実際乗ってみてわかった注意点・デメリット
利用する上で押さえておくべきリアルな注意点を挙げる。
青函トンネル進入時の耳鳴り(気圧変化)
列車が高速で青函トンネルへ進入する際,およびすれ違い時には急激な気圧変化(トンネル微気圧波)が発生し,耳が詰まるような感覚を覚えることがある。耳抜きが苦手な人や酔いやすい人は,飴をなめるか事前に耳栓を用意しておくと快適に過ごせる。
大型荷物の置き場所
車内後部や頭上の荷物棚は完備されているが,現在の新幹線のような専用大型スーツケースラックは限られている。大きなキャリーケースを引いて乗車する場合は,指定席の最前列・最後部座席を優先的に確保されたい。
トンネル内での電波不通
青函トンネル内走行中の約20分〜25分間は携帯電話の電波が完全に不通となる(※当時の仕様)。到着後の観光情報や乗り換え案内は,トンネルに入る前にあらかじめ調べてスクリーンショット等で保存しておくのがスマートである。
到着後のアクセス・併せて使いたいサービス
異国情緒あふれる港町・函館に到着した後は,函館山からの夜景や朝市でのグルメなど魅力的な観光が待っている。
到着後の二次交通と観光案内
- 函館駅到着後の移動
函館市電(路面電車):駅前からすぐ乗り場があり,五稜郭や元町教会群,宝来町方面へのアクセスに最も便利である。お得な「市電1日乗車券」の購入がおすすめ。
函館山登山バス / ロープウェイ:夕刻に合わせて函館山山頂へ登るバスが駅前バスターミナルから発着している。 - レンタカー・観光バスの活用
大沼公園や湯の川温泉,恵山方面へ足を伸ばすなら,函館駅前でのレンタカー手配が非常にスムーズである。
宿・レンタカー予約のコツ
函館市内のホテル(特に朝食バイキングで有名なホテル群や湯の川温泉の旅館)は,シーズンを問わず人気が高い。旅程が決まったら楽天トラベルなどの大手ポータルサイトで早めに部屋を押さえておくのが鉄則である。
まとめ:津軽海峡の海底を越えて、憧れの北の大地へ
485系「特急 白鳥」に乗って過ごす2時間は,本州と北海道というふたつの大地が深く太く結ばれていることを肌で感じられる特別な時間であった。漆黒の青函トンネルを抜け,車窓に函館山のシルエットが浮かび上がった瞬間のときめきは,決して色あせることがない。
時代が移り変わり,走る列車が北海道新幹線へとバトンを渡した現在も,津軽海峡を越えて旅するワクワク感とその歴史的ロマンは変わらず受け継がれている。あなたもカメラとスーツケースを手に,海を越える北への旅へ踏み出してみてはいかがだろうか。
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