【富山地方鉄道】ダブルデッカーエキスプレスで宇奈月温泉へ!車窓の見どころとおすすめ下車駅ルート完全ガイド

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取材:2014年7月

富山地方鉄道の誇る「動く特等席」ダブルデッカーエキスプレスとは

富山県の東部に広がる広大な田園風景と,その向こうにそびえる壮大な立山連峰。この美しい景色を最高の特等席から眺めるための列車が,富山地方鉄道(以下、富山地鉄)に存在する。

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その名も「ダブルデッカーエキスプレス」である。

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かつて京阪電気鉄道で「テレビカー」として親しまれた3000系車両を導入し,2013年に運行を開始したこの特急列車は,3両編成の中央に「2階建て車両(ダブルデッカー)」を組み込んでいる。金色に輝く時代絵巻の時代行列が描かれた車体は,どこか優雅で,旅人の心を躍らせる。

今回は,2014年7月の眩しい初夏の光の中,高校生である筆者がこの名列車に乗り込み,黒部、そして歴史ある上市・寺田を巡った旅の記録である。快晴の空の下,風を切り裂いて走る地鉄の魅力を,あますところなくお届けしたい。

電鉄富山駅:黄金の2階建て特急,いざ出発

旅の始まりは,富山の交通の要衝である電鉄富山駅である。昼間の明るい時間帯の光が,ホームに滑り込んできた京阪カラー――上品な黄色の車体を鮮やかに照らし出す。

特急料金(大人220円)を支払い,念願の2階建て車両へと足を踏み入れる。目指すは,もちろん2階の座席である。

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ダブルデッカーエキスプレスの座席選びのポイント
2階席は通常運賃+特急料金のみで乗車可能である(予約不可・先着順)。通常の車両よりも目線が約1メートル高く,遮るもののない大パノラマが約束されている。
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12時過ぎ,列車は静かに電鉄富山駅を後にした。加速するにつれ,車窓には富山の代名詞とも言える,青々とした瑞々しい水田が一面に広がる。7月の風は,まだどこか涼しさを孕んでおり,車窓を流れる景色は一枚の絵画のように美しい。

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途中,滑川市付近を走行中,突如として車窓に巨大な観覧車が現れる。これは「ミラージュランド」の観覧車である。富山湾の青さと,どこまでも続く田園の緑,そして突如現れる遊園地のコントラスト。これこそが,富山地鉄の車窓の醍醐味である。

終点・宇奈月温泉駅:湯の香りと黒部峡谷の風

列車は次第に高度を上げ,黒部川が形成した扇状地を突き進む。いくつもの小さな駅を駆け抜け,電鉄富山駅から約1時間15分、終点の宇奈月温泉駅に到着した。

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駅に降り立つと,かすかに硫黄の香りが鼻腔をくすぐる。
宇奈月温泉駅のそばには,全国的にも珍しい「温泉が注がれる足湯(くろなぎ)」が設置されている。高校生の限られた小遣い旅行にとって,無料で旅の疲れを癒やせる足湯は,この上ない贅沢である。湯に足を浸すと,じわりと旅の緊張が解けていく。

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駅舎を出て数分歩くと,隣接する黒部峡谷鉄道の宇奈月駅が見えてくる。そこには,さらに深い秘境へと向かう小さなトロッコ列車たちが,出番を待つように並んでいた。山から吹き下ろす風は,下界の暑さを忘れさせるほどに心地よい。

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折り返しの帰路へ:新幹線の未来を車窓に見る

宇奈月温泉の滞在を終え,再びダブルデッカーエキスプレスに乗車して折り返す。帰路の平屋から外を眺めていると,黒部宇奈月温泉駅の周辺で,巨大な高架橋が目に入ってきた。

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翌年(2015年3月)に開業を控えた北陸新幹線の新駅である。
真新しいコンクリートの高架は,富山の交通の未来を象徴しているかのようだ。歴史ある地鉄の2階建て車両から,未来の新幹線駅を眺める――。まさに「今しか見られない」新旧の鉄道のクロスオーバーに,胸が熱くなるのを禁じ得なかった。

上市駅:スイッチバックの街と,映画の舞台へ

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列車を途中の上市(かみいち)駅で下車する。
上市駅は,地鉄本線において列車が進行方向を変える「スイッチバック」を行う重要な拠点駅である。高校生の地理の知識を刺激する構造に,思わず見入ってしまう。

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上市町は,古くから修験道の霊場である大岩山日石寺の門前町として栄えた歴史を持つ。また,アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』の監督の出身地であり,作品の舞台モデルになったことでも知られる地だ。駅舎に漂うどこか懐かしく,そして凛とした空気感は,訪れる者の心を落ち着かせる。

寺田駅:大正レトロが残るジャンクション

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上市駅からは,地元の人々が日常の足として使う普通列車に乗り換える。ガタゴトと揺られること数分,本線と立山線が分岐する寺田駅に到着した。

この寺田駅は,鉄道ファンにはたまらない聖地である。大正時代に建てられた木造の駅舎が今なお現役で使われており,プラットホームがV字型に広がる独特の構造をしている。

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高校生の私にとって,この駅の佇まいは,まるで過去の時代へタイムスリップしてしまったかのような錯覚を抱かせるに十分な情緒を持っていた。風に揺れる木々の音と,遠くで鳴る踏切の音だけが,静かに響いていた。

電鉄富山駅帰着:旅の終わりに

寺田駅から再び普通列車に揺られ,終点の電鉄富山駅へと戻ってきた。

総行程約4時間の,慌ただしくも濃密な鉄道旅であった。
ダブルデッカーエキスプレスという華やかな特急列車の魅力はもちろんのこと,地鉄が持つ歴史の深さ,そして車窓から見えた富山の豊かな自然は,私の心に深く刻まれた。

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富山地方鉄道は,単なる移動手段ではない。乗ること自体が「旅」になる,素晴らしい路線である。あなたもぜひ,あの黄色い2階建て列車に揺られ,富山の風を感じてみてはいかがだろうか。

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