駅巡り

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【18きっぷ縦断】高知〜東京を普通列車で15時間!青春18きっぷと四国フリーきっぷで行く鉄路長距離旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月高知の朝は静かであった。春休み。高校生である私の手には,四国旅で使い倒した「学生限定春休み四国フリーきっぷ」と,今日から新たなお供となる「青春18きっぷ」が握られていた。本州へ,そして遥かなる東京へ。薄曇りの空の下,高知駅を午前6時に出発し,幾度もの乗り換えを経て夜の東京を目指す15時間・約800kmの壮大な鈍行旅が幕を開けた。四国と本州を結ぶ鉄路の記憶を,ここに書き残す。朝6時00分:高知から四国を抜けて本州へ。特急「南風」とジーンズの街・児島アンパンマン列車で瀬戸大橋を渡る旅の始まりは高知駅午前6時発,岡山行きの特急「南風2号」である。「学生限定春休み四国フリーきっぷ」の効力を極限まで活かし,四国内は豪華に特急で駆け抜ける。車体には色鮮やかなアンパンマンのキャラクターたちが描かれており,早朝の静けさの中でどこか微笑ましい異彩を放っていた。土讃線の急勾配をエンジン音轟かせて登り詰め,吉野川の渓谷を抜け,列車は香川県へと入る。やがて瀬戸大橋に差し掛かると,薄曇りの空の下に穏やかな瀬戸内海が広がった。児島駅の衝撃と,115系食パ...[続く]
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【四国一周】学生限定フリーきっぷで行く!内子の町並みと予土線・土讃線で巡る四国西側踏破旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月松山の朝,宿の部屋に差し込む光で目を覚ました瞬間,冷や汗が吹き出した。時計の針はすでに8時を回っている。予定していた列車には到底間に合わない。1時間の遅れ――旅の出だしとしては手痛い失敗であるが,それもまたローカル線旅の醍醐味と割り切るしかない。春休み。高校生である私は,JR四国が誇る破格の企画乗車券「学生限定春休み四国フリーきっぷ」(当時8,800円で3日間乗り放題)を手に,松山駅から四国の西側をぐるりと回り込み,高知へと抜ける旅に立った。曇り空からやがてしとしとと降り出した雨の中,特急列車とローカル線を乗り継ぎ,歴史ある町並みと四国の深山を駆け抜けた濃密な1日の記録である。午前8時30分:遅れを取り戻す疾走。特急「宇和海」で木と白壁の町・内子へ本来の計画より1時間遅れとなる午前9時前,松山駅のホームへ駆け込む。乗り込むのは,2000系特急「宇和海(うわかい)」である。振り子式気動車ならではの力強いエンジン音を響かせ,列車は山あいの予讃線(内子線経由)を疾走する。車窓を流れる柑橘類の畑や深い緑を眺めているうちに,わずか25分...[続く]
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【四国一周】学生限定フリーきっぷで巡る,春の四国特急旅!高松〜松山を駆け抜ける180分の青春鉄道記

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月四国の鉄道旅といえば,青い海,どこか懐かしい木造駅舎,そして個性的で魅力的な特急列車の数々が思い浮かぶ。今回はまだ肌寒さの残る春休み。高校生である私が,JR四国が発売している破格の企画乗車券「学生限定春休み四国フリーきっぷ」を手に,快晴の四国路を駆け抜けた記録である。わずか3時間ほどの間に,ローカル線、讃岐うどん、そして瀬戸内海を望む特急列車での激走を詰め込んだ,瑞々しくも濃密な旅の始まりをここに書き残しておきたい。青春の片道切符。「学生限定春休み四国フリーきっぷ」という特権高校生という身分は,時間はあるが金がない。そんな若き旅人の強い味方が,JR四国が春季限定で設定している「学生限定春休み四国フリーきっぷ」である。当時の価格は8,800円。この切符一枚で,JR四国線全線の特急列車および普通列車の普通車自由席が,なんと3日間乗り降り自由となる。通常,高松から松山まで特急の自由席を利用するだけでも片道約5,000円(※2015年当時)を要することを考えれば,この切符がいかに破格であるかが理解できるであろう。これを使わない手はない...[続く]
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【ジャンボフェリー乗船記】関西から四国へ最安夜行ルート!高校生が旅した2015年春の青春ドキュメント

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月はじめに:夜の帳が降りる京都駅から,旅は始まる2015年3月。春休みを迎えた高校生の胸には,まだ見ぬ土地への憧憬と,限られた小遣いという現実が同居していた。目指すは四国・高松。新幹線や特急を使えば容易に行き着く場所であるが,あえて過酷で,それでいて詩情に満ちた「夜行フェリー」の旅を選ぶ。18時30分。旅の起点である京都駅のホームには,独特の熱気が満ちていた。東海道本線(JR京都線)の主役,新快速223系が滑り込んでくる。転換クロスシートの窓側に腰を下ろすと,最高時速130km/hの咆哮とともに,列車は夜の関西を西へと疾走し始めた。喧騒の大阪駅と,消えゆくオレンジ色の記憶わずか30分弱で,列車は巨大な結節点,大阪駅へと滑り込む。ホームから階段を上がると,2011年に完成した「大阪ステーションシティ」の圧倒的な橋上駅舎が広がっていた。巨大なドーム屋根が覆う空間は,まるでヨーロッパの主要駅のような開放感を醸し出している。見下ろすホームには無数の人々が行き交い,旅情を刺激してやまない。大阪環状線のホームへふと足を伸ばした大阪環状線のホ...[続く]
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【青春18きっぷ】東海道線横断ルート完全攻略!東京〜京都を一日で抜ける超過酷旅の全記録

本ページはプロモーションが含まれています取材:2015年3月春の訪れを告げる3月。学生たちの長い休みと重なるこの季節,ポケットに「青春18きっぷ」を忍ばせて旅に出る者は少なくない。東京駅から京都駅まで,新幹線を使えばわずか2時間半の距離である。しかし,あえて快速と普通列車だけを乗り継ぎ、11時間近くかけて東海道を横断する。それは便利さと引き換えに,日本の大動脈の息吹を肌で感じる贅沢な選択でもある。2015年3月,まだ肌寒い春の曇り空の下,高校生が挑んだ東海道横断の全記録をここに記す。07:30 東京駅|旅立ちの朝は曇天のホームから旅の始まりは朝7時半の東京駅である。巨大なターミナルは,通勤客の忙しない足音と,これから旅に出る高揚感で満ちていた。頭上を覆うのは,今にも雨が降り出しそうな低い曇り雲。しかし,これから始まる長い線路の先を思うと,胸の鼓動は高鳴るばかりである。東海道本線の普通列車に乗り込み,西へ向けて滑り出した。車窓に流れるビル群が次第に住宅街へと変わり,やがて車内にはのんびりとした旅の空気が漂い始める。09:30 熱海駅|伊豆の玄関口で出会った漆黒の衝撃小田原を過ぎ,列車が相...[続く]
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【吾妻線・八ッ場ダム旅】115系で行く消えゆく絶景。沈みゆく川原湯温泉と日本一短いトンネルを巡るローカル線の旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年8月プロローグ:真夏の光と,消えゆく記憶を追いかけて2014年8月。うだるような暑さの夏休み,私は青春18きっぷを握りしめ,群馬県を走るJR吾妻線(あがつません)を目指していた。目的は,近い将来,八ッ場(やんば)ダムの底へと沈みゆく激動の車窓を,そして今なお昭和の面影を残す国鉄型車両の姿を,この目に焼き付けることである。高校生の私にとって,それは単なる物見遊山の旅ではなく,失われゆく歴史の一片を記録するための,少し背伸びをした「旅」であった。午前8時30分,旅の始まりは前橋駅である。群馬県の県庁所在地であるこの駅から,まずは両毛線の105系電車に乗り込んだ。カタンコトンと小気味よい音を立てて,列車は新前橋駅へと滑り込む。ここで吾妻線直通の列車に乗り換えるのだ。ホームで待っていたのは,湘南色の帯を纏った115系電車であった。重厚な鋼製車体,懐かしいコンプレッサーの音が足元から響く。冷房の効いた車内に入り,ボックスシートに身を委ねると,旅情は一気に加速した。快晴の空の下,列車は渋川駅から吾妻線へと入り,山深い吾妻川の渓谷に沿って坂を登...[続く]
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【青春18きっぷ】信越縦断ルートガイド!115系・二本木スイッチバックから幻の臨時快速

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月夏の陽光が,信越の青い山並みを強烈に照らし出していた。2014年7月,高校生の私は,ポケットに青春18きっぷを忍ばせ,直江津駅のホームに立っていた。どこまでも続く線路の先には,まだ見ぬ旅情と,かすかな冒険心が待っている。13時過ぎ,直江津駅から乗り込んだのは,どこか懐かしいモーター音を響かせる115系普通列車である。信越本線を行くこの国鉄型車両は,昭和の面影を色濃く残し,旅人の心を否応なしに高揚させる。冷房の風と,窓から吹き込む夏の匂いが混ざり合う車内。列車が動き出すと,車窓にはきらめく日本海が遠ざかり,次第に妙高の山々が迫ってきた。妙高の険路に挑む「二本木駅」のスイッチバック列車はやがて,山あいの静かな駅,二本木駅へと差し掛かる。この駅には,現代の鉄道では珍しくなった「スイッチバック」が今なお息づいている。険しい傾斜を克服するため,列車は一度本線から外れ,引き込み線へとバックで進入していく。豆知識:スイッチバックとは?急勾配の途中に駅を設ける際,列車が安全に発着できるよう,平坦な線路を本線から分岐させて設置した構造のことであ...[続く]
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【青春18きっぷ】旧北陸本線の旅!413系で行く富山〜直江津,秘境・筒石駅と日本海の絶景ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月はじめに:青い海と国鉄型電車が呼んでいる高校生の夏休みは,どうしてこれほどまでに短く,そして眩しいのだろうか。ポケットに押し込んだ「青春18きっぷ」を改札で印籠のようにかざし,私は午前9時30分,活気に満ちた富山駅のホームに立っていた。目指すは新潟県の直江津駅。2015年春の北陸新幹線開業を控え,この「北陸本線」が第三セクターへ移管される前の,おそらく最後になるであろう夏の旅だ。ホームに滑り込んできたのは,白い車体に青い帯の413系普通列車である。急行型譲りの重厚なモーター音と,どこか懐かしい油の匂い。自動扉が開くと同時に車内へ歩を進め,私は迷わず進行方向左側,つまり海側のボックスシートに陣取った。定刻,列車はガタゴトと音を立てて走り出す。富山平野を駆ける:車窓に広がる新旧のコントラスト富山駅を出発してしばらくは,車窓が目まぐるしく変化する。左手を見れば,魚津の街並みの向こうにミラージュランドの観覧車が小さく見え,旅情を誘う。目を凝らせば,地元の足として親しまれている富山地方鉄道のレトロな車両が,こちらの国鉄型電車と競うように...[続く]
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【富山】氷見線で巡る絶景ローカル線の旅!雨晴海岸の車窓とおすすめ撮影ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月朝の静寂を切り裂いて:富山駅から始まる夏の旅夏休みの朝は早い。午前5時を過ぎたばかりの富山駅は,まだ本格的な始動を前にした静けさに包まれていた。北陸新幹線の開業を翌年に控え,駅周辺はどこか慌ただしい工事の気配を漂わせているが,在来線ホームに漂う空気は昔ながらの旅情そのものである。高校生の私は,青春18きっぷを片手に,5時半過ぎの北陸本線普通列車に乗り込んだ。目指すは高岡駅,そしてその先に待つローカル線「氷見線」である。車窓を流れるのは,朝露に濡れた富山平野の水田だ。列車が立山連峰のシルエットを背にしながら,ガタゴトと音を立てて進むうち,わずか20分ほどで高岡駅に到着した。ここで氷見線へと乗り換える。ホームで待っていたのは,朱色のキハ40形気動車――ではなく,富山県氷見市出身の漫画家・藤子不二雄Ⓐ氏の代表作『忍者ハットリくん』のキャラクターたちが鮮やかに描かれたラッピング列車であった。ローカル線らしい遊び心に笑みがこぼれる。ディーゼルエンジンの力強い重低音が足元から響き,5時49分,列車はゆっくりと高岡駅を離れた。藍色の海に浮か...[続く]
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【富山地方鉄道】ダブルデッカーエキスプレスで宇奈月温泉へ!車窓の見どころとおすすめ下車駅ルート完全ガイド

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月富山地方鉄道の誇る「動く特等席」ダブルデッカーエキスプレスとは富山県の東部に広がる広大な田園風景と,その向こうにそびえる壮大な立山連峰。この美しい景色を最高の特等席から眺めるための列車が,富山地方鉄道(以下、富山地鉄)に存在する。その名も「ダブルデッカーエキスプレス」である。かつて京阪電気鉄道で「テレビカー」として親しまれた3000系車両を導入し,2013年に運行を開始したこの特急列車は,3両編成の中央に「2階建て車両(ダブルデッカー)」を組み込んでいる。金色に輝く時代絵巻の時代行列が描かれた車体は,どこか優雅で,旅人の心を躍らせる。今回は,2014年7月の眩しい初夏の光の中,高校生である筆者がこの名列車に乗り込み,黒部、そして歴史ある上市・寺田を巡った旅の記録である。快晴の空の下,風を切り裂いて走る地鉄の魅力を,あますところなくお届けしたい。電鉄富山駅:黄金の2階建て特急,いざ出発旅の始まりは,富山の交通の要衝である電鉄富山駅である。昼間の明るい時間帯の光が,ホームに滑り込んできた京阪カラー――上品な黄色の車体を鮮やかに照ら...[続く]
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【高山本線・乗車記】夕暮れのローカル線で旅情に浸る。富山〜猪谷,キハ120形が運ぶ夏の終わりのノスタルジーと歴史の足跡

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月旅の始まり:真夏の富山駅から,高山本線のディーゼルカーへ2014年7月,うだるような暑さが残る夕暮れ時。私は富山駅のホームに立っていた。北陸新幹線の開業を翌年に控え,高架化工事が進む駅構内は,どこか慌ただしい熱気に包まれている。しかし,これから乗り込む高山本線のホームだけは,都会の喧騒から切り離されたかのような,独特の緩やかな時間が流れていた。目指すは,富山県と岐阜県の県境に位置する境界駅,猪谷(いのたに)だ。ホームで待っていたのは,朱色とクリーム色のツートンカラーをまとったコンパクトな気動車,キハ120形である。わずか2両,または2両で走るこのディーゼルカーは,ローカル線旅の最高の主役だ。【2014年7月当時・富山駅のワンポイント】当時の富山駅は新幹線開業直前の過渡期。地上ホームと仮設ホームが混在し,旅情と開発のエネルギーが同居する独特の雰囲気であった。夕方16時を過ぎた車内は,学校帰りの高校生や,買い出し帰りの地元住民で予想以上に混雑していた。すべてのボックス席とロングシートは埋まっており,私はドア付近で立ち席を余儀なくさ...[続く]
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【青春18きっぷ旅】普通列車で巡る福井縦断ローカル線の旅!敦賀・武生・福井鉄道・えち鉄を巡るノスタルジック鉄道紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月夏の光が,すべてを眩しく照らしていた。高校生の私は,1枚の「青春18きっぷ」を手に,これから始まる長い鉄路の始まりである敦賀駅の,少しひんやりとした跨線橋を渡っていた。北陸新幹線の金沢開業を翌年に控えたこの夏,北陸の鉄路は大きな変革の刻(とき)を迎えようとしている。今しか見られない景色,今しか聴けない音。それを心に刻むための,夏休みの旅である。敦賀から武生へ:北陸本線の俊足普通列車と「北陸トンネル」の闇敦賀駅のホームには,交直流電車の521系が静かに佇んでいた。2両編成のステンレス車体が,夏の強い陽射しを跳ね返して輝いている。車内に入り,進行方向左側のクロスシートに身を沈める。定刻,列車は滑るように動き出した。加速するにつれて,モーターの硬質な音が車内に響く。しばらくすると,列車は日本屈指の長さを誇る「北陸トンネル」(13,870メートル)へと突入した。■北陸トンネルとは?1962年に開通したこのトンネルは,かつて杉津(すいづ)経由で急勾配を喘ぎながら越えていた木ノ芽峠を,一気に貫いた歴史的建造物である。車窓は一瞬にして漆黒の...[続く]
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【消えゆく座席夜行】「ムーンライトながら」が紡ぐ,東京から北陸への長距離鈍行旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年7月はじめに:東京の夜,鉄路の旅の始まりかつて,日本の夜には無数の夜行列車が走っていた。ブルートレインが次々と姿を消した2014年現在,東京から東海道を結ぶ最後の砦として君臨するのが,臨時快速「ムーンライトながら」である。青春18きっぷが利用できるこの列車は,安価に,そしてどこまでも遠くへ行きたいと願う若者たちの聖地であった。当時高校生だった私は,有り金すべてを握りしめ,まだ見ぬ西国へと向かうため,夏の新宿駅に立っていた。小田急線で小田原へ。18きっぷの「裏ワザ」移動旅の始まりは,JRではなく小田急電鉄の新宿駅からである。旅人の知恵:なぜ小田原スタートなのか?「ムーンライトながら」は東京駅を23時10分に出発する。しかし,そこで青春18きっぷに入鋏(スタンプ)してしまうと,日付が変わるまでのわずか50分ほどのために,1日分(2,370円相当)を消費することになってしまう。それを回避するための定番ルートが,「小田急線の急行で小田原駅まで先回りする」という方法である。小田急線の運賃は安く,新宿から小田原までわずか880円(※2014年...[続く]
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【最後の旅路】青い客車が紡ぐ,夜行列車の終着駅。東北から上野まで駆け抜けた寝台特急「あけぼの」B寝台の完全乗車記録

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年3月漆黒のホーム,旅情の青。歴史の境界線で待つ「あけぼの」東北の夜の底から,冷たい風が吹き抜けていく。2014年3月。定期運行の廃止という運命のダイヤ改正をわずか数日後に控えた春休み,私はJR秋田駅のプラットホームに立っていた。高校生の私にとって,これから人生最初で最後になるかもしれない,ある特別な列車を待っていた。その名は寝台特急「あけぼの」。上野と青森を,羽越本線・奥羽本線経由で結び続けた,日本の一時代を象徴する伝統のブルートレインである。寝台特急「あけぼの」は,昭和45(1970)年の運行開始以来,東京と北東北を結ぶ大動脈として,出稼ぎの労働者やビジネスマン,そして多くの旅人を運び続けてきた。しかし,新幹線網の拡大や夜行高速バスの台頭,そして車両の老朽化には抗えず,2014年3月15日のダイヤ改正をもって、ついにその長い定期運行の歴史に幕を下ろすことが決定していた。遠くの闇から「ゴォー……」という重厚な地響きとともに,青い客車の列を従えた電気機関車が滑り込んでくる。車体に掲げられた「あけぼの」のヘッドマークが,ホームに浮かび...[続く]
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【漆黒の奥羽を貫く真紅の矢】E3系の終焉と,新時代の胎動。秋田新幹線「スーパーこまち17号」夜間登坂記と,惜別の秋田駅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年3月盛岡駅の分岐点。夜の闇に浮かび上がる,真紅の「ジャパン・レッド」東北の夜の冷気は,春の足音をかき消すほどにまだ鋭く,張り詰めていた。2014年3月。高校生の私は,岩手県の拠点駅,JR盛岡駅の東北新幹線ホームに立っていた。白い息を吐きながら,暗闇の奥から滑り込んでくる一条の光を見つめる。東京から「はやぶさ」と連結して走ってきたその列車は,ここ盛岡駅で宿命の切り離しを行い,それぞれの運命へと分かれていく。私が乗り込むのは,秋田新幹線の最新鋭車両「E6系」,列車名は「スーパーこまち17号」である。秋田新幹線は,平成9年(1997年)に開業した,新幹線と在来線(田沢湖線・奥羽本線)の線路幅を合わせて直通運転を行う「ミニ新幹線」の先駆者である。そして,2013年3月にデビューしたこのE6系「スーパーこまち」は,なまはげの面や秋田の伝統行事「竿燈(かんとう)」の提灯の灯りをイメージしたという,鮮烈な「茜色(ジャパン・レッド)」を頭上に戴く。最高時速320キロメートルという国内最速の韋駄天ぶりを発揮しながらも,盛岡からは在来線規格の小ぶりな...[続く]
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【奥久慈の清流を抜けて】本州を縦断する大自然のローカル線。JR水郡線「キハ130系」常陸大子での切り離しと全線走破の記録

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年3月旅立ちの朝。水戸駅の喧騒を離れ,非電化の桃源郷へ春の訪れを予感させる柔らかな朝の光が,近代的な高架ホームを白く照らしていた。2014年3月。冷たくもどこか瑞々しい風が吹き抜ける午前,私は茨城県の拠点駅,JR水戸駅のホームに立っていた。今日の私は,北関東から東北の懐へと続く,一本の長いローカル線に身を委ねようとしていた。その名はJR水郡(すいぐん)線。路線愛称「奥久慈清流ライン」の名で親しまれる,全長137.5キロメートルに及ぶ壮大な非電化単線である。水郡線は,大正時代から昭和初期にかけて,水戸と福島県の郡山を結ぶべく建設された歴史を持つ。かつては奥久慈の山々から産出される木材や鉱物の輸送,そして沿線住民の貴重な足として,日本の近代化と戦後復興を陰で支え続けた大動脈であった。ホームに滑り込んできたのは,赤や黄,青の鮮やかなカラーリングをまとった「キハ130系」気動車。ステンレスの車体が朝日を浴びてきらきらと輝いている。午前9時過ぎ,ディーゼルエンジンが「カラカラ……」と心地よいアイドリング音を響かせ,列車は水戸駅を静かに発車した...[続く]
0_街並み

【100年に一度の大改造】消えゆく昭和の営みと,胎動する未来の街。渋谷駅大工事の全貌と消えゆく名車たちを巡る紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年1月宙に浮く重機,解体される鉄路。渋谷ヒカリエから見下ろす,変革の咆哮冬の抜けるような快晴の青空が,ガラス一面に広がっていた。2014年1月。張り詰めた寒気のなか,私は渋谷駅東口にそびえ立つ新たなランドマーク,「渋谷ヒカリエ」の11階スカイロビーに立っていた。私は,いま,日本の歴史上でも類を見ないほど巨大な「変革」の渦中にあるこの街の鼓動を,この目で確かめたいと願っていた。眼下に広がるのは,さながら巨大な建築模型であり,同時に,絶え間なく変化し続ける生きた生き物の巣窟のようでもあった。前年の平成25年(2013年)3月,東急東横線の渋谷駅は,長年親しまれた高架ホームから地下へとその姿を消し,東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始した。その大転換から約1年。地上に残されたかつての鉄路と,これからの未来を背負う新駅の建設現場は,まさにカオスそのものの美しさを放っていた。ロビーの窓越しに見下ろす渋谷駅周辺は,無数のクレーンが幾重にも交差し,巨大な鉄骨が縦横無尽に組み上げられている。かつて東横線の電車が滑り込んでいたカマボコ型の屋根は,...[続く]
0_飛行機の旅

【LCCでゆく夜間飛行】夜の鉄路から天空の航路へ。南海ラピートとジェットスター,成田から京成アクセス特急で繋ぐ究極のコスパ旅

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年1月鉄の深海魚から,眠らない人工島へ。ラピートが運んだ夜の滑走路濃紺の車体が,プラットホームの蛍光灯を浴びて妖しくきらめいていた。2014年1月。冬休みの終わりを惜しむように,私は関西空港駅の改札へと歩を進めていた。旅の終わりを惜しむ私は,大阪・難波から南海電鉄の誇る空港特急「ラピートβ(ベータ)」に揺られてこの場所に到着したばかりであった。航空機のような丸い窓,レトロフューチャーな「鉄人28号」を彷彿とさせる大胆な先頭形状。その深海魚を思わせる独創的な空間から吐き出されると,目の前には,近未来の宇宙ステーションのような開放的な関西国際空港の空間が広がっていた。関西国際空港は,平成6年(1994年)に世界初の「完全人工島」として開港した,日本を代表する24時間運用可能な国際拠点空港である。特に2010年代に入ってからの関空は,日本におけるLCC(格安航空会社)の聖地として劇的な変貌を遂げていた。新幹線や既存のレガシーキャリア(大手航空会社)の運賃が高嶺の花であった高校生の私にとって,わずか数千円の運賃で東京へと運んでくれるLCCの...[続く]
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【鉄路の青き異形】南海特急ラピートβでゆく関空への旅。道頓堀の熱気と近未来の風

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年1月鉄の街から海上の空へ。冬の大阪を走り抜ける,紺碧の弾丸冬の凍てつく風が,地下から這い上がる人の熱気と混ざり合う。2014年1月。大阪市営地下鉄御堂筋線のなんば駅に降り立った私は,吐き出す乗客の波に押されるようにして地上へと向かった。冬休みの旅を満喫している高校生の私は,大阪という巨大な都市の心臓部に足を踏み入れた高揚感に包まれていた。これから目指すのは,日本の美意識と近未来のデザインが融合した「南海電鉄の至宝」である。しかしその前に,まずは大阪の生命力が最も色濃く漂う,あの川沿いの盛り場へと歩みを進めることにした。御堂筋を北へ進み,戎橋(えびすばし)の上へ立つ。眼前に広がったのは、お馴染みの巨大なランナーの看板や,せわしなく明滅するネオンサイン,そして独特の調子で飛び交う関西弁の嵐。ここが「道頓堀」である。道頓堀の歴史は,江戸時代初期の慶長20年(1615年),安井道頓(やすいどうとん)らが私財を投じて開削した運河に始まる。かつては芝居小屋が立ち並び,天下の台所と呼ばれた大阪の食文化と娯楽の中心地として栄えてきた。冬の昼下がり...[続く]
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【京阪神の宿命のライバル】追加料金なしの贅沢!阪急「9300系」と京阪「8000系ダブルデッカー」の劇的特急乗り比べ紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年1月陽だまりの梅田駅。マルーンの気品に抱かれて,俊足の京都線へ冬の柔らかな日差しが,ヨーロッパの終着駅を思わせる巨大なドーム状の屋根から降り注いでいた。2014年1月。快晴の空の下,私は阪急電車の梅田駅(※2019年に大阪梅田駅に改称)に立っていた。冬休みの旅を続ける高校生の私は,大阪と京都を結ぶ二つの偉大な私鉄特急の「乗り比べ」という,密かな冒険に出ようとしていた。9線10面の大パノラマが広がるホーム。そこに滑り込んできたのは,気品ある深い栗色の「マルーンカラー」に身を包んだ,京都線特急の雄・9300系電車であった。阪急京都線のルーツは,大正時代に新京阪鉄道が当時の最新技術を注ぎ込んで建設した高速新線に遡る。ライバルである東海道本線(国鉄・JR)に対抗するため,直線主体の線路を最高時速115キロで駆け抜ける俊足ぶりが伝統である。車内に入ると,そこは私鉄特急の概念を覆す贅沢な空間が広がっていた。高級感あふれる木目調の壁に,オリーブグリーンのゴールデンオリーブ色をした,ふかふかのアンゴラ山羊の毛を使用したクロスシート。追加料金のいら...[続く]
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【阪急今津線】マルーン色の電車に揺られて。映画『阪急電車』の舞台と,片道15分の小旅行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年1月マルーン色の車両が運ぶ奇跡。映画『阪急電車』の舞台,今津線を往く冬の午後冬の柔らかな陽光が,マルーン色の車体に反射して美しくきらめいている。2014年1月。映画『阪急電車 片道15分の奇跡』の公開から3年近くが経とうとする冬下がり,私は阪急今津線の始発駅である宝塚駅のホームに立っていた。旅の自由を噛み締めている高校生の私を待っていたのは,マルーン色に気高く輝くお馴染みの車両である。映画の中で数々の温かい奇跡を生み出したあの路線を,自ら旅しファインダー越しにその息吹を感じてみたい。そんな淡い期待を胸に,昼下がりの穏やかな光の中,列車はゆっくりと動き出した。阪急今津線(北線)は,宝塚駅から西宮北口駅までの7.7キロメートルをわずか14分ほどで結ぶ,阪急電車の重要な支線である。大正10年(1921年)に西宝線として開業して以来,阪神間のベッドタウンを繋ぐ生活の足として愛され続けてきた。映画の原作となった有川浩の小説,そして映画そのものが描いたのは,この短い路線を行き交う人々の,ささやかで,けれど人生を少しだけ変えるような心の交流であ...[続く]
駅巡り

【漆黒から黄金の海へ】東武東上線から直通!元旦限定の臨時急行「みなと横浜 初日の出号」で行く,2014年・大さん橋の劇的初日の出紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2014年1月埼玉から横浜の海へ。闇を切り裂く,元旦だけの特別列車一年の始まりを告げる闇は,どこまでも深く,そして冷徹である。2014年1月1日。午前4時を回ったばかりの深夜,私は東武東上線の駅ホームに立っていた。いつもなら完全に眠りについているはずの線路の上で,年に一度しか現れない「特別な列車」を待っていた。張り詰めた寒気の中に響くアナウンス。遠くから近づく2条のヘッドライトが,静まり返ったホームを白く照らし出す。入線してきたのは東急5050系車両――それこそが,元旦限定の臨時特急「みなと横浜 初日の出号」であった。「みなと横浜 初日の出号」は,東武東上線・西武池袋線から,東京メトロ副都心線,東急東横線を経由し,横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅までを一本のレールで結ぶ,大晦日から元旦にかけての終夜運転限定の臨時直通列車である。■ みなと横浜 初日の出号 停車駅(2014年1月現在)森林公園3:52ー(各駅停車)ー和光市4:43ー(急行)ー渋谷5:13ー(急行)ー横浜5:46ー(急行)ー5:54元町・中華街平成25年(2013年)...[続く]
駅巡り

【時をかける黄金の列車】「ジパング平泉2号」で行く,奥州平泉ノスタルジー紀行

本ページはプロモーションが含まれています取材:2013年7月序:日常を脱ぎ捨て,黄金の郷へ2013年7月。私は盛岡駅のホームに立っていた。ポケットのスマートフォンが,現代という日常の重みをちっぽけに主張している。しかし,今日私が向かうのは,ここからおよそ1000年も前の過去――奥州藤原氏が築き上げた,みちのくのユートピア,平泉である。日常の喧騒を切り裂くようにしてホームに入線してきたのは,漆黒の車体に金色のラインをまとった,どこか厳かな列車であった。JR東日本が誇る観光快速「ジパング平泉2号」。その名の通り,かつてマルコ・ポーロが東方見聞録で記した「黄金の国・ジパング」をコンセプトに,2012年のいわてデスティネーションキャンペーンに合わせてデビューしたばかりの485系リゾート列車である。若者にとって,列車の旅とは単なる移動手段に過ぎないことが多い。しかし,この「ジパング」は違った。一歩足を踏み入れた瞬間,そこはすでに平泉の序章として完成されていたのである。承:黒と金の動く城――ジパング平泉2号の衝撃乗車してまず驚かされるのは,1号車と4号車に設けられた展望車,そしてそこに並ぶ大画面の...[続く]
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海の鳴る駅へ。廃線前夜の江差線をゆく,往復160キロの叙情旅【2013年7月・完全乗車記】

本ページはプロモーションが含まれています取材:2013年7月2013年の夏。高校生だった私は,1枚の切符を握りしめて函館駅のホームに立っていた。目的はひとつ。翌年春に部分廃線が決定していた,JR江差線(木古内〜江差間)の終点を見届けることである。鉄道ファンでなくとも,「廃線」という言葉には,どこか胸を締め付ける響きがある。歴史の荒波と過疎化の波に抗えず,やがて地図から消え去る鉄路。その最期の輝きをこの目に焼き付けたいという衝動は,多感な時期の私を北の大地へと駆り立てるに十分であった。旅情を誘うディーゼル音,車窓を濡らす海霧,そして終着駅に漂う静寂。13年7月のあの日,私が駆け抜けた江差線往復の旅路を,当時の空気感そのままに振り返りたい。函館駅から出発:日常から非日常への境界線お昼過ぎの函館駅は,観光客と地元客が入り混じり,独特の活気に満ちていた。しかし,私が乗り込んだ江差線直通の1両編成のキハ40形気動車(ディーゼルカー)の車内には,どこか寂しげな空気が流れていた。名残を惜しむように車窓を見つめる旅人たちもいれば,いつものように「日常」を過ごす人々もいる。定刻になり,列車はゆっくりと動...[続く]