乗車:2016年3月
異国を駆け抜ける橙の疾風:台湾高鉄(台湾新幹線)の魅力と旅情
台北の喧騒をあとにし,ホームへと降り立つと,そこにはどこか見覚えのある,しかし洗練されたスタイリッシュな車両が佇んでいる。日本の新幹線技術が世界で初めて輸出された歴史的プロジェクト――それが「台湾高速鉄道(台湾高鉄 / THSR)」である。
日本の東海道・山陽新幹線「700系」をベースに開発された「700T型」車両は,オレンジとホワイトの流線形ボディが美しく,時速300kmで台湾の南北を鮮やかに駆け抜ける。台北駅から高鉄桃園駅までの区間は,わずか20分ほど。旅の終わりに空港へ向かう足としても,また台中や高雄(左営)へと足を延ばす鉄路としても,単なる移動の手段を超えた高揚感を与えてくれる存在である。
本記事では,台北から桃園までの乗車手順やお得なチケットの購入方法,日本の新幹線と酷似しつつも独特の進化を遂げた車内設備,座席選びのコツ,そして高鉄桃園駅から空港へのアクセスまでを詳しく解説する。
この記事でわかること
- 運賃・所要時間・時刻表の基本:台北〜桃園間のスピーディーな移動ルート
- チケット予約手順:窓口での購入法とネットでお得に買う裏ワザ
- 車内設備と快適な過ごし方:座席の座り心地・荷物置き場・コンセント事情
台湾高鉄の基本情報(料金・所要時間・ルート)
台湾高鉄は,台北市内の台北駅(及び南港駅)から台湾西海岸を南下し,終点の左営(高雄)駅までを結ぶ全長約350kmの高速鉄道網である。台北〜桃園間は地下区間を抜けて地上へ出ると,一気に加速してあっという間に到着する。
運賃・料金表(台北駅 〜 高鉄桃園駅区間・2016年3月時点)
| 席種 | 大人(片道) | 子ども・シニア(片道) | 備考 |
| 商務車廂(ビジネス車廂) | 290 NTD(約1,000円) | 145 NTD | 122列車など・ドリンク&お菓子サービス付き |
| 標準車廂(指定席) | 160 NTD(約560円) | 80 NTD | 2+3列配置の標準シート |
| 自由車廂(自由席) | 155 NTD(約540円) | 77 NTD | 9〜12号車(列車により変動あり) |
所要時間と運行スケジュール
- 所要時間:約 19 分 〜 21 分(台北〜桃園間)
- 運行本数:1時間に数本(朝夕のピーク時は15〜20分間隔で頻発運転)
- 主な途中駅・ルート:台北駅 ── 板橋駅 ── 高鉄桃園駅
お得に乗る方法・割引情報
台湾高鉄には,乗車日の数日前〜数週間前に予約することで割引(10%〜30%オフ)になる「早鳥優惠(早期割引チケット)」が存在する。また,外国人旅行者限定の「台湾高鉄割引周遊券(パス)」や,事前予約サイト(KKday,agoda,楽天トラベル等)での割引バウチャーを活用すると,定価よりも格安で手配できるため非常にお得だ。
チケットの予約・購入方法(いつから? どこで買える?)
予約開始タイミングと購入ルート
台湾高鉄の乗車券は,原則として乗車日の28日前(※変更される場合あり)から予約受付が開始される。
- 日本国内での事前Web予約(おすすめ)
公式サイト(日本語対応)または旅行予約サイト(楽天トラベル,KKdayなど)を通じてクレジットカード決済で事前予約する。発行された予約番号(バウチャー)をスマホに保存し,現地の窓口や自動券売機で発券する。 - 現地の駅窓口(チケットカウンター)および自動券売機
台北駅1階または地下の「高鉄售票處(チケット売り場)」で購入。パスポートを提示すれば外国人割引チケットの発券もスムーズだ。自動券売機は日本語表示に対応しており,クレジットカードや現金で購入できる。 - コンビニエンスストア(セブンイレブン、ファミリーマート等)
台湾境内のコンビニ設置マルチメディア端末(ibon等)から発券手続きが可能(発券手数料が必要)。
予約が取りにくい場合のコツと注意点
台北〜桃園間は短距離区間のため,満席になることは比較的少ないが,金曜日の夕方や祝日(春節や清明節などの連休)は帰省客で非常に混雑する。指定席が満席の場合は,自由席(自由車廂)の切符を購入して早めにホームに並ぶのがコツだ。
車内設備と快適な過ごし方
一歩車内に入ると,日本の「ひかり」や「こだま」に漂う独特のアットホーム感と清潔感が旅行者を迎えてくれる。
座席の種類と「おすすめの座席」
- 標準車廂(指定席・自由席):通路を挟んで2席+3席の配置。シートピッチ(足元の広さ)は日本の新幹線同様に非常にゆったりしており,大型スーツケースを足元に置いても膝が当たらないほど余裕がある。
- 商務車廂(グリーン車に相当):2席+2席配置でパープルを基調とした上質なシート。20分ほどの乗車時間でも,アテンダントによるドリンクと焼き菓子の無料提供サービスが用意されている。
- 車窓の景色:台北駅を出発するとしばらくは地下を走行するが,板橋駅を過ぎると地上へ出て台湾北部の穏やかな田園風景や山々の景色が広がる。
車内設備(コンセント・Wi-Fi・トイレ・荷物置き場)
- 手荷物置き場:各車両のデッキ付近に大きなスーツケースを収納できる大型荷物ラックが設置されている。
- コンセント:ビジネス車廂全席および一部の標準車廂(車両の最前列・最後列付近やバリアフリーエリア)に電源コンセントが設置されている。
- トイレ・自動販売機:奇数号車のデッキには車いす対応の清潔な多機能トイレや自動販売機が完備されている。
旅の持ち物・ガジェットメモ
わずか20分のフライト前移動であっても,旅の思い出を美しい映像で記録するなら手ブレ補正機能付きのアクションカメラや軽量なミラーレス一眼カメラが重宝する。また,冷房が効いている車内に備えて羽織る上着が一枚あると安心である。
実際乗ってみてわかった注意点・デメリット
揺れや音・酔いやすさについて
日本の700系新幹線をベースにしているため,走りの安定性と静音性は世界最高水準である。横揺れや不快な振動は極めて少なく,乗り物酔いしやすい方でも安心して快適な時間を過ごすことができる。
スーツケースの荷物置き場争奪戦
大きなスーツケースを持って移動する旅行者が多いため,空港へ向かう時間帯(特に午後や夕方)はデッキの「大型荷物置き場」がすぐに埋まってしまうことがある。荷物置き場を確実に確保したい場合は,ホームに早めに並んで乗車するか,足元スペースが広い最前列・最後列の指定席を確保するのが賢明だ。
高鉄桃園駅と「桃園国際空港」の位置関係
【重要】高鉄桃園駅は、桃園国際空港の目の前にあるわけではない。
高鉄桃園駅に到着した時点では,まだ空港ターミナルの中にはいないため,空港へ向かうための乗り換え(連絡バス)が必要となる。
到着後のアクセス・桃園空港への二次交通
高鉄桃園駅の改札を抜けると,ガラス張りの開放的なコンコースが広がる。ここから桃園国際空港(第1ターミナル・第2ターミナル)へ向かう手段は非常にシンプルである。
空港へのアクセス手段(高鉄桃園駅 〜 桃園国際空港)
- 空港連絡バス(統聯客運 705系統など)
乗り場:高鉄桃園駅のバス乗り場(1番〜2番乗り場付近)。
所要時間:約 15 分 〜 20 分
運賃:大人 30 NTD(ICカード「悠遊卡 / EasyCard」利用可能)
特徴:高鉄の運行に合わせて数分〜10分間隔で頻発運転されており,スーツケースをトランクルームに預けて快適に空港ターミナル直玄関まで移動できる。 - タクシー
所要時間:約 10 分 〜 15 分
運賃:約 300 〜 350 NTD 前後
特徴:深夜便の利用や,グループ・家族旅行で荷物が多い場合に最も手軽でスピーディーな選択肢となる。
旅の準備メモ
高鉄桃園駅から空港へ向かう連絡バスの支払いにも「悠遊卡(EasyCard)」が使用できる。台北市内での観光やMRTの利用時と同様に,チャージ残高を確認しておくことで現金出しの手間を軽減できる。
まとめ&あわせて読みたい旅のモデルコース
台北駅から高鉄桃園駅までをわずか20分で結ぶ台湾高鉄(台湾新幹線)。日本の技術が息づく静かで快適な車内空間は,移動の疲れを癒やすと同時に,「異国で日本の新幹線に乗る」という旅ならではのユニークで特別な体験を与えてくれる。
成田からLCCで台北へ跳び,北投温泉,故宮博物院,台北101,九份の赤提灯,士林夜市を満喫し,最終日に台湾高鉄で桃園空港へ向かって帰国する3泊4日の全旅程は,以下の記事(モデルコース)にて詳しく公開している。








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