時は2014年3月、ある寝台特急の廃止が近づいていました。
その列車の名前は「あけぼの」。東京は上野から高崎・長岡を経由、そのまま日本海沿いを青森まで毎日運転される寝台特急です。
対東京東北の寝台特急は、他には「北斗星」「カシオペア」のJR東日本の看板ともいえる豪華列車が他にも運転されていますが、昔ながらの風格を残す、庶民が一般利用する目的の寝台特急はこの「あけぼの」を残すのみとなってしまいました。
今回の旅の動機は単純明快、
「あけぼのに乗りたい」
ただそれだけです。
そんな思いを心に持ちながら、ひたすら最後に乗れるチャンスはないかどうか探ってみました。
ある日のこと、するとなんと!3月4日の上り寝台に空席があるではありませんか!
幸運なことにその日は高校は休み、これは行かない手はありません。
空席を確認したその日にみどりの窓口に駆け込み、寝台券を確保しました。
あの「あけぼの」に乗れる、心躍る思いで過ごしながら、旅の出発その日になりました。

上野駅→水戸駅

上野駅から、まずは常磐線に乗り出発です。
この先水戸方面まで乗車するのも初めてであり、前回の夏の旅行とはまた違うルートで東北方面を目指してみましょう。
列車は定刻通り上野駅を出発、快調に進みます。
車内で音楽をきくなどしてダラダラしていると、まもなく水戸に到着です。
水戸散策・千波湖

なんと水戸駅に到着するとあの歴史上の偉人にお出迎えいただきました。

この季節はまさに梅の時期、初めて訪れる水戸でなんと美しい景色に出会いました。
乗り換える次の列車まで時間があります。地図で見つけた近くの湖に行ってみましょう。

こちらがその千波湖です。
すぐそばには庭園で有名な偕楽園がありますが、今回は時間の関係上スルー。
庭園ほど全国的に知名度はないかと思いますが、こちらの湖も庭園に負けない風光明媚な景色が広がっています。

湖畔を散歩していると白鳥に出会いました。
水戸駅→郡山駅 水郡線

短い時間ながらも水戸を満喫した後は、水郡線に乗って出発です。
本当ならこのまま常磐線をいわき方面へ、仙台まで乗り通したかったのですが、現時点で常磐線は震災の影響で一部不通であり、それは叶いませんでした。
ですが水郡線も今回が初乗車、きっとよい車窓が待っていることでしょう。
水戸近郊ではそれなりに乗客もいましたが、途中常陸大宮を過ぎ山岳区間に入ると乗客も一気に少なくなります。

そしてしばらくすると列車は久慈川と平行して走ります。

何度も現れては離れ、

最後まで飽きさせてはくれませんでした。

列車は途中常陸大子駅で長時間停車、車両を切り離しします。
それより後は朝早かったこともあり、車内で睡眠をとり…

終点郡山に到着です。

郡山駅→仙台駅
郡山からは東北本線に合流、一路仙台を目指します。

仙台までは途中福島で乗り換えです。
新幹線ならばもっと早く行けたのになあ…と思います。
そう、今回利用しているのは普通列車しか乗れない青春18きっぷや、前回東北を移動するのに利用した北海道&東日本パスではないのです。追加料金さえ払えば新幹線にも特急にも乗れる普通乗車券なのです。
それなのに今回新幹線に乗らなかった理由、それはお金です。18きっぷで特急に乗せろと主張したいのではありませんが、お金のない高校生の身分、あけぼの寝台料金を支払うため新幹線特急料金が犠牲になったのでした。

途中福島ではこのような雛人形も見られました。そう、世間はひなまつりなのです。

福島で列車を乗り換え、

仙台に到着!
コメント