普通列車で行く函館 2013夏

普通列車で行く函館 2013夏

1.上越国境のトンネル駅に降り立つ

春から無事に高校に進学、新生活に慣れた頃、初めてやってくる夏休み。中学生のときより予算、行動の自由が増えたこともあり、早速旅に出ることにしました。行先はどうしよう。せっかく高校生になったのだから、初めて行く場所がいい。そうだ、北海道まで行ってみよう。と考えたったのが今回の旅の始まりでした。少しは行動の幅が広がったとはいえ、相変わらずできることや予算には限りがあります。今回利用するのは北海道&東日本パスで、JR東日本・JR北海道の全線の普通列車が乗り放題となる大変お得なきっぷです。しかも有効期間は7日間、北海道まで行って帰ってくるには十分な期間です。同様に普通列車乗り放題の有名なきっぷとしては青春18きっぷがありますが、大きく異なる点は有効期間と、北海道&東日本パスでは元JR東日本の路線である青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道と北越急行に乗車できることです。東京と北海道方面のメインルートである東北本線は途中の盛岡までで、その先青森までは青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道と管轄が異なります。そのため、今回は青春18きっぷではなく旅をする上で支障の少ない北海道&東日本パスを選んだのです。きっぷ一...[続く]
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2.ほくほく線で現代アートを楽しむ

越後湯沢で駅そばを食べ、午後も旅は続きます。越後湯沢駅→六日町駅 ここから乗るのは引き続き上越線、ではなくほくほく線です。今回使っている北海道&東日本パスはなんとJRだけではなく一部第三セクターにも乗車できます。とはいいつつ、途中の六日町まではJRの車両に乗ることになりました。この六日町から第三セクター、ほくほく線に乗り換えます。ほくほく線といえば北陸方面と越後湯沢を結ぶ特急はくたかで有名です。この特急が存在することにより、東京~北陸のメインルートとしてこの路線が機能しています。ただ、今後の北陸新幹線開業による影響がどうなるか…ほくほく線は本来、旧国鉄の路線として開業するはずでした。ただ国鉄末期の財政難によって建設が中断、そのまま分割民営化を迎えました。そして赤字ロカール線として誕生する運命となることが予想されました。しかし幸運にも長大トンネルが高速運転に対応できることが判明、高架線も新幹線と同等の設備で整備することで特急の高速運転に対応、結果として現在のはくたかの運転経路となりました。六日町駅→まつだい駅今回はフリーきっぷの都合ではくたかには乗車できませんが、せっかくなので途中下車の...[続く]
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3.乗り得列車で新潟横断

ほくほく線に乗り直江津に到着しました。ここで次は柏崎方面の列車に乗り換え…はせずに、寄り道をします。直江津駅→脇野田駅これまでの駅とは違い、脇野田駅はあまり耳にしたことのない方も多いと思います。ここ脇野田駅は近い将来脇野田駅ではなくなります。この一文だけでは理解が難しいと思われますが、端的に事実をお伝えすると、北陸新幹線が開業すると名前が上越妙高駅と変更される予定です。上越妙高駅=脇野田駅こちらが現在建設中の新幹線駅です。手前の盛土の土地が将来ロータリーになるのでしょうか。一方、現役の信越線の駅舎はかなり古いようです。新幹線が開通すると駅自体が新幹線の駅に寄せられ、部分的に廃線となってしまうようです。それだけでなく、脇野田駅のある信越線(長野~直江津)は北陸新幹線の開業後、平行在来線としてJRから経営分離される予定となります。そのため全国区のフリーきっぷをしての旅行はしづらくなりますが、地域密着型の鉄道として地元利用者に愛される運営がなされることを願います。私個人的には味のあって好みな駅舎です。脇野田駅→新潟駅 快速くびき野脇野田からは一気に新潟へ!乗る列車は快速くびき野です。この列車...[続く]
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4.新日本海フェリーで過ごす豪華な一夜

新潟に到着したときは既に日が暮れてしまっていましたが、まだこの日の旅は終わりません。今晩は新潟には泊まらず、夜行フェリーで移動します。新潟駅→新潟フェリーターミナル簡単に夕食を済ませ、新潟駅万代口の特徴的なバスターミナルに驚きつつ、バスでフェリーターミナルへ移動します。バスに乗車中、実は怪しい男たちに話しかけられるハプニングが発生!一瞬心身の安全が脅かされました。結局は何事もなく無事にフェリーターミナルへ到着したわけではありますが…今日乗船するのは秋田・苫小牧行きです。今回の旅の最終目的地は北海道ですが、一気に苫小牧までは乗らず、途中の秋田で下船します。旅客待合ターミナルで、乗船までまだかまだかと胸を高鳴らせながら、飲み物の調達などをします。そしていよいよ乗船開始のアナウンスが響きます。新日本海フェリーあざれあ長距離フェリーに乗ると「旅」をしている気分になります。もう夜で乗船したらすぐに眠りたい時間ではありますが、鼓動は高まるばかりです。今回乗るフェリーの愛称はあざれあ。短い時間ではありますが、よろしくお願いします。豪華客船などほど遠い貧乏学生、寝台も下位ランクです。(正確な記憶は曖昧...[続く]
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5.乗るだけで楽しいリゾートしらかみに乗車

(豪華?)フェリーで一夜を過ごし、旅は秋田港から始まります。秋田港→土崎駅こちらは港を出て最初に目に入った建物、ポートタワーセリオンです。夜は灯台のような役割も果たしているのでしょうか。時間があればぜひ上ってみたいところでしたが、到着したのは朝7時。当然こんな時間にオープンしているはずもなく、おとなしく諦めます。朝の時間は余裕があり、ゆっくり散策しながら港を離れ移動します。およそ30分かけて歩いて到着した先は土崎駅です。レトロ調の綺麗な外観の駅舎です。土崎駅→秋田駅・秋田市民市場普通列車に1駅乗り、秋田県の中心部に近い秋田駅に到着です。秋田駅では朝ごはんをいただきます。せっかく旅先なので地元っぽいものを食べたい!ということで、秋田市民市場へやって来ました。朝ということもあり、新鮮な食材、特に海産物の香りが漂います。そんな中、定食を注文… お腹を膨らませた後は、短時間の滞在でしたが再び列車に乗り、秋田を離れます。秋田駅→青森駅 快速リゾートしらかみ次に乗る列車はそう!五能線経由の観光列車、リゾートしらかみ1号です。その中でも今回は「橅」編成に乗車します。他には「青池」「くまげら」編成があ...[続く]
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6.青函連絡船八甲田丸にみる かつての津軽海峡

リゾートしらかみで青森駅に到着、せっかくなので駅周辺を散策してみましょう。青森ベイブリッジ駅ホームから撮影した青森ベイブリッジです。同じ名前の橋が横浜にもあったような気もします。こうして吊り橋は眺めるだけで楽しいものです。駅を出場、時間も限られていますので駅からほど近く、青森といえば(個人的に)このスポット、ということで早速行ってみましょう。青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸青森駅はその立地から、新幹線が乗り入れなかったことは有名な話です。その昔、青函トンネルが開通する前は船で青森函館間を連絡していました。その船に連絡するため、駅は海に突き出した形で設置され、その立地を今もなお残しています。港に突き出した立地にすることで、鉄道と船の貨物や旅客の移動がスムーズになります。鉄道車両をそのまま北海道へ運べるよう、鉄道用の車両甲板を装備した船もあります。上の写真を撮影した場所は、その連絡橋桟橋です。それでは早速、中へ入ってみましょう。入館料を払い、乗船!船内には、往年の青函連絡船の時代のものが多数展示されています。こちらがまず鉄道、青森が連絡駅としての業務を行っていた頃のものです。こちらは船...[続く]
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7.青函トンネルと函館上陸・湯の川温泉

帆立小屋で見事釣りに成功したホタテをテイクアウト、青森駅から乗る特急白鳥の車内で食べます。青森駅→函館駅 特急白鳥乗車前に跨線橋から白鳥を撮影今回使用している北海道&東日本パスでは普通列車のみ有効で特急に乗車するためには改めて乗車券と特急券を購入する必要がありますが、青森~函館間では特例で、特急券を購入するだけで特急に乗車できます。この特例が設定された事由は単純明快で、特急白鳥の運転される津軽海峡線では途中の中小国~木古内間で一切普通列車が運転されていないからです。中小国の1つ隣蟹田~木古内間では特急料金も支払うことなく特急列車に乗車することができますが、さらに青森~函館間でも特急券を購入することで北海道&東日本パスでも特急に乗車できます。(つまり乗車券のみ有効)青森駅を定刻通り発車、列車は津軽海峡線へと進みます。中小国を通過後、津軽線と海峡線の分岐点では、建設中の北海道新幹線の高架を見ることができました。写真が傾いてしまっていますが、建設中の北海道新幹線の線路です。北海道まで新幹線が開通、東京より乗り換えなし、さらに所要時間短縮となれば歓迎すべきことではありますが、現在のローカル特急...[続く]
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8.急ぎ足の函館観光は6時間以内で

函館からおはようございます朝宿泊したホテルを出発(でもその時刻6時半)、せっかくなので旅先ならではの朝食にしましょう。市電に乗ってやってきた場所は…函館朝市函館朝市!ここの朝市で新鮮な海鮮丼をいただきます。おみやげ市場には強力な客引きも…お腹が膨れたところで、そのままの足で市内観光を続けます。次に行く先は、函館といえばここ五稜郭公園ここ五稜郭は幕末の戊辰戦争の終結地としても有名です。ちなみに五稜郭は函館のここを限定して指す固有名詞ではなく、城郭の形式を指す一般名詞のようです。公園内には箱館奉行所もあります。こちらはかつて江戸時代に蝦夷地を管轄する幕府の行政拠点として設けられた施設です。最初は函館山の麓(現在の元町公園 後に訪問)にあったそうですが、江戸時代末期の箱館港開港の際に現在の五稜郭公園内に移設されたようです。残念ながら今回は内部を見ることはしませんでしたが、また訪れた際にはぜひ内部までしっかり見学したいものです。ところで市電から五稜郭公園まで歩いている途中、このようなタワーを見たのですが…?五稜郭タワー上りました。晴れていれば綺麗だったろうに、天気が…今回の旅、あまり天気に恵ま...[続く]
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9.廃止が迫る江差線に乗車

函館で昼食後、離れることとなりました。来るまでも長い旅でしたが、これからはその道をたどり、東京まで戻ります。函館駅→木古内駅函館駅からは江差行きに乗車します。有名な街から走る主要路線の列車が1両というのは寂しい気持ちにさせるものです。これから乗車する江差線は、函館の1つ隣五稜郭駅から上磯方面へ分岐、そのまま津軽海峡沿いを木古内までまず走ります。この区間は青森までの津軽海峡線の一部で、函館まで乗車した特急白鳥や本州と北海道を結ぶ貨物列車が数多く通る、まさに主要幹線の様相です。しかしその路線名となる木古内から先江差までの区間は赤字ローカル線の風景です。今回乗車した列車は函館から江差までを直通しますが、函館駅から乗車した旅客はその大半が北斗市の近郊区間で下車、木古内に到着する頃には車内の乗車人数は数えるほどとなってしまいました。列車は木古内に到着です。ここ木古内は北海道新幹線開通時には北海道内最初の駅となる予定です。乗ってきた列車のすぐ横で新幹線用の高架区間が建設されていました。新幹線が開通後、その平行する普通列車の走る区間は、平行在来線としてJRより経営分離されるケースが近年の延伸区間では...[続く]
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10.白い鳥と青い森で本州へ

江差から木古内へ戻ってきました。これからは函館方面に戻ることなく、北海道とお別れです。木古内駅これが木古内駅かあ…ん?特急も停まる駅、さらには将来の新幹線駅であるのに地味すぎないか?しかも工事中?それもそのはず、新幹線開通に伴い現在駅も工事中だからです。この今しか見られない何もない高架下も、貴重な写真になるのでしょうか。こちらが木古内の本来の駅舎です。「北の大地の始発駅」とても素敵なフレーズです。木古内駅→蟹田駅 特急スーパー白鳥木古内からはスーパー白鳥に乗車します。行きに青森→函館で乗車した白鳥との違いは、使用車両の違いということです。列車がホームに入線してきました。スーパー白鳥はJR北海道の車両です。自由席に着席すると、なんとテーブル裏には青函トンネル通過予定時刻表があるではありませんか!これは行きの時点で知っておきたかった…時刻表があることで、車窓に注意をしていなくても余裕をもって通過を楽しむことができます。さらに,車内にはおおよその現在地を示すLEDまであります。青函トンネルに入る頃には、「青函トンネルに入りました」との表示も流れます。途中の吉岡海底駅、竜飛海底駅は通過、次の蟹...[続く]
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11.快速ジパング平泉で行く中尊寺観光

八戸では朝5時に起床、陸奥湊の朝市の食事から1日が始まります。八戸市営魚菜小売市場やって来たのはここ、八戸市営魚菜小売市場です。陸奥湊駅前にある市場で、サービスに特徴があります。それは、まず白米だけを購入し、その他おかずは市場で売っている新鮮な海鮮類をごはんにオンするといういわゆる「のっけ丼」方式です。場内はこのように所狭しと店が並び、歩いていて飽きることはありません。新鮮な海鮮でお腹も膨れた後、八戸線の始発に乗車します。陸奥湊駅→八戸駅八戸線は東北新幹線の停車駅八戸駅から、八戸市の中心部である本八戸、今回訪れた陸奥湊、鮫を経由し久慈まで至る路線です。久慈から先は三陸鉄道に接続しており、東北地方の太平洋側へ広がるリアス式海岸を間近に眺めて旅ができる路線です。今回はルートの都合上訪れることはできませんでしたが、ゆっくり時間をとって楽しんでみたいところです。やって来た列車に乗車し、八戸へ向かいます。八戸駅→盛岡駅八戸駅からはIGRいわて銀河鉄道に乗車します。こちらも昨日乗車した青い森鉄道と同様、元々は東北本線でした。それが東北新幹線八戸開業に伴う経営分離で第三セクター化されました。今日の朝...[続く]
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12.函館→東京 鈍行の旅 完結編

中尊寺を観光し、残るはひたすら列車に乗り東京に戻るのみです。※本当に列車を乗り継ぎ東京まで戻るだけの内容です。平泉駅→一ノ関駅普通列車に乗り、一ノ関まで乗ります。車体には平泉の世界遺産登録記念ラッピングがされていました。列車は一ノ関に到着です。ここでは乗り継ぎに時間があるので、食料を調達します。18きっぷで旅をするときもそうですが、乗り継ぎ時間を有効活用してできる時に食料調達をしておくことは重要です。なぜなら次に休憩ができるのが数時間後というケースもあり得るからです。一ノ関駅→仙台駅仙台までもまた普通列車です。途中小牛田で乗り換え、仙台までの所要時間は約100分です。仙台に到着です。仙台駅→福島駅 快速仙台シティラビット仙台からは快速です。ここでやっと進行方向の座席に座ることができましたので、睡眠に充てます。福島に到着です。福島駅→黒磯駅一ノ関から毎回違うタイプの車両に乗ることができ、楽しいものですが列車に乗るだけの移動というものはどうしても飽きてしまうものです。黒磯駅はもう東京近郊ともいえるでしょうか。ここまで来るとすっかり日も暮れてしまいました。黒磯駅→宇都宮駅列車の帯の色も東京近...[続く]