この旅のタイトルでもあるマレー半島縦断を掲げながら、KL近郊で過ごすこと3日が過ぎました。いつまで経っても縦断を始めませんでしたが、今日はいよいよ縦断の日です。
今日の目的地はマレーシアの隣国のシンガポール、お昼にKLを国際列車で出発、途中複数回列車を乗り換えながらシンガポール国境のJB(ジョホール・バール)へ、陸路で国境を超え今日の宿のあるシンガポール中心部まで、およそ350kmの大移動です。距離だけ見ると東京~名古屋と大きく変わりませんが、KL~シンガポールは新幹線のような高速鉄道で結ばれておらず、かつ国境をまたぐため、緊張感があります。
Stesen Taman Tun Dr Ismail (TTDI)→Stesen Pasar Seni
3日間の夜を過ごしたTTDI、そして部分開通のMRT線ともこれでお別れです。
次回来るときはきっと全線開通していることでしょう。
Central Market
Pasar Seni駅で下車してすぐ、KLの伝統的市場のセントラル・マーケットに到着です。
ここでマレーシアならではの織物やお菓子を見物します。東南アジアならではの客引きには要注意です。
ここは昨日も外から眺めましたが、前回2014年にKLを訪れた際にもお土産を見に来ました。
そして近所のスーパーでお手頃なお菓子やお茶を購入、KLを後にします。
Stesen KL Sentral→Stesen Gemas ETS
いよいよ長旅のスタートです。
KLからJB方面、途中のGemasまでは複線電化されており、またETSと呼ばれる特急で結ばれています。
今回マレー鉄道のきっぷは事前にインターネットで購入しておきました。
座席まで指定ができるので便利です。
列車は定刻通りKLセントラルを出発、速度を上げて南下していきます。
今回予約した席は一番お得な普通車、車内は至ってシンプルですが日本ではもうあまり見られなくなった売店があります。座席の向きは固定式、日本のように各自で方向転換ができない仕様となっています。
KL市内を抜けるとこのように南国風情が漂う車窓が広がります。
車内には案内用のモニターが設置されており、現在の走行速度や列車位置が表示されています。撮影したタイミングでは速度138km/hを記録、かなり速いです。
なお、車内は冷房が効いており半袖シャツだとかなり寒いです。
そんなこんなで約2時間乗車、
Gemasに到着です。
Stesen Gemas→Stesen JB Sentral KTM Intercity
ETSで到着したホームの向かいに、次に乗車するJB行きの列車が停車していました。乗り継ぐ列車はこれまでの電車とは異なり、非電化の機関車牽引列車です。
ホームから車両を眺めていると、なんと反対側のホームがない方向も扉がフルオープンではありませんか!
日本ではありえない光景にただ驚くのみでした。
先頭部まで戻ってくると、ちょうど機関車の連結作業が終わった頃でした。
この機関車に牽かれ、JBまでは約4時間の長旅です。
客車列車の雰囲気とは異なり、車内はかなり綺麗です。座席は高速バスのそれと似たような雰囲気です。
途中停車駅での一枚。かなりローカルな雰囲気です。
やっと日も傾き始めた頃、JBに到着です。
列車からは一斉に長旅を終えた人々が吐き出され、人の流れはJB市内か出国手続きへと向かいます。
当初の予定ではここで出国手続きを終え、シンガポール国内に唯一あるマレー鉄道の駅、Woodlands Checkpointまで乗車する予定でした。しかしJBまで乗ってきた列車の到着がかなり遅れ、乗り継ぎ予定であった列車は出発済み。そして次の国境をまたぐ列車は1時間後…
そこまで待つとあまりにも宿の到着が遅くなるため、代わりにシンガポール中心部まで直通する国際バスに乗車することに決定。チケットを購入して、出国審査に移ります。
Johor Bahru Checkpoint→Queen Street Bus Terminal
ここから先は国境越え、また日も暮れてしまったため写真はありません。
無事パスポートにマレーシアの出国印を押してもらい、窓口で購入したバスへ乗車、マレーシアを後にします。
飛行機で国境を超えることは経験した人が多いと思いますが、島国日本では陸路で国境を超える感覚がつかみづらいのではないでしょうか。
実はここJBとシンガポールでは日常的に国境をまたいだ通勤や観光需要が盛んであり、EUのようなパスポートが不要となる協定まではありませんが、世界一移動が多い国境なんだとか。
バスでジョホール海峡をまたぐ橋を渡り、シンガポールに入るとすぐWoodlands Checkpointに到着です。バスの乗客は必ずすべてここで一度降ろされ、一斉にシンガポールの入国審査手続きに入ります。
どこの国でも入出国の際には長蛇の列で待たされるのが定番ではありますが、国境越えのバスはその点もきちんと考慮されており、長時間の停車時間が確保されています。
無事入国手続きが完了、シンガポールは初入国です。自分の乗ってきたバスを探し当てる作業、まるでSAでの休憩のひとときのようです。
シンガポール国内の高速道路を走ること約30分、宿に近いQueen Street Bus Terminalで下車します。
時刻は夜10時近く、ようやく宿に入り今日の旅は終了です。
明日からはいよいよシンガポールの旅が始まりです。
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