熊本は水前寺のホテルで一夜を明かし、朝からまた旅を続けます。
熊本駅→人吉駅
熊本駅から乗る列車は、いさぶろう1号です。
この列車は熊本から八代までを鹿児島本線、八代から肥薩線に入り球磨川に沿って人吉、人吉から先は日本三大車窓の一つに数えられる矢岳高原を走り、終点である鹿児島県の吉松までを走ります。特に八代から先の肥薩線内は美しい車窓が連続しており、乗っていて飽きない路線です。この旅のメインでもあり、ここまで来るのをとても楽しみにしていました。
いさぶろう号から望む車窓です。窓のカーテンも通常のカーテンではなく、すだれが採用されており旅の雰囲気を上げてくれます。このいさぶろう号に使用されている車両は元は通常のローカル線で使用されている気動車でしたが、2004年の九州新幹線一部区間開業に伴い、この風光明媚な肥薩線を走る観光列車に改造されました。
私はこの列車に乗車するのは今回が初ではなく、以前小学生だった頃に乗車したことがあります。
その時は熊本駅発着ではなく、人吉~吉松の区間のみの運転でした。この今乗車しているいさぶろう1号も、当時は人吉駅を始発としており、現在乗車している熊本から人吉までの区間は別列車の「特急くまがわ」が運行されており、人吉でいさぶろう号と接続を行っていました。しかし今年の3月に廃止され、同区間は快速に置き換えられました。
そんなかつての思い出に思いをはせながら、列車は山越えに向かって進みます。
列車は途中駅の人吉に到着です。
人吉駅
ここ人吉は温泉地の玄関口でもあり、観光の拠点でもあります。
観光地らしい雰囲気の漂うホームです。
人吉からは引き続きいさぶろう号に乗車、先に進みます。
大畑駅
人吉の隣、大畑に到着です。
このいさぶろう号は途中駅で観光ができるよう、通常より長時間停車します。
ここ大畑はスイッチバック構造かつループ線の途中に設置された、非常に珍しい駅です。
また駅舎も木造で、昔ながらの雰囲気を色濃く残しています。
この駅に自分の名刺を貼ると出世する、という噂話があるらしく、駅舎には多数の名刺が貼られています。
列車は発車時刻となり、急いで乗り込みます。
しばらくすると列車はループ線を通るため、先ほど降り立った大畑駅を列車から望むことができます。
矢岳駅
続いて矢岳駅に到着です。
駅ホームには、かつてこの区間でSLが現役で運転されていた頃、すすで汚れた顔を洗うために設置されていた水道がそのまま残っています。
ここも駅舎は木造です。そしてこの駅舎から望む風景は
一本道が続いています。まるでどこかの夏休みゲームに登場してもおかしくない風景ですね。
そして駅の敷地内にはSLの展示館があり、D51-170が展示されています。
また列車の発車時刻になりました。次の見所は
日本三大車窓の1つに数えられている、矢岳越え区間です。
線路に面して案内板も設置されており、かついさぶろうはここで少しの時間停車します。
日本一の車窓風景をじっくりと楽しむことができます。
真幸駅
肥薩線で唯一の宮崎県内の駅、真幸駅に到着です。
この真幸駅は大畑駅と同じくスイッチバック構造となっており、駅到着直前には本線を横目に折り返す光景が見られます。
そのためホームの片方は線路が行き止まりとなっています。そしてその駅ホームに鎮座するのはこの駅を襲った土石流災害の石塊です。この石は重さ8トンもあるそうです。
山間に立地する長閑な駅です。
この駅の名前にふさわしく、ホーム上には幸せの鐘があります。
スイッチバック構造ということで、かつては運転の要所でもあり駅構内は広々としています。
そしてここも例に漏れず木造駅舎です。
最後に、列車内から幸せの鐘を眺めて出発です。
吉松駅→隼人駅
いさぶろう1号は終点の吉松に到着です。ここから列車を乗り換えます。
乗車するのははやとの風1号 鹿児島中央行きです。
ここ吉松で熊本方面からのいさぶろう号と接続しており、この2列車で熊本から鹿児島までを観光列車で旅することが可能です。
このはやとの風もまた観光列車であり、途中駅の見所も盛りだくさんです。
車内は通常の座席だけでなく、このような展望ラウンジも設けられており過ごす時間をゆったりと楽しむことができます。
大隅横川駅
まず途中停車したのは大隅横川駅です。
本日4駅目の木造駅舎です。
そしてこの駅の特徴は、第二次世界大戦中に米軍機の機銃掃射を受け、その跡が残っている箇所です。
嘉例川駅
列車は嘉例川駅に到着です。
本日5駅目、また鹿児島県内最古の木造駅舎でもあります。
そしてこの駅に勤務する駅長がこちら
休憩中でした
この駅が開業したのは1903年(明治3年)であり、その開業100周年を祝う石碑がありました。
隼人駅→鹿児島中央駅
列車が次の駅、隼人駅に到着すると
なんと!JR九州の豪華列車、ななつ星in九州に遭遇!
いつかは乗ってみたいものですなあ
引き続きはやとの風に乗車、鹿児島を目指します。
しばらく進むと鹿児島湾に沿うように線路は走り、鹿児島のシンボルでもある桜島も目の前に出現しました。
観光列車から桜島を眺めます。
そして鹿児島駅に到着する目前、
近代薩摩の歴史を語る上で外せない仙巌園も車窓から眺めることができました。
そして終点
鹿児島中央駅に到着です。
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