1.座席夜行ムーンライトながらで目指す北陸

高校2年生の夏休み、18きっぷを使い、新幹線が開通目前に迫った北陸を訪れることにしました。
北陸地方を18きっぷで旅するには、滋賀県の米原から新潟県の直江津までを結ぶ北陸本線をメインルートとして動くケースがほとんどです。しかし新幹線が開通すると、平行区間となる金沢~直江津の区間は第3セクターとしてJRから経営分離、今後18きっぷで旅をすることはできなくなります。
さらに新幹線開通によって沿線の風景もきっと様変わりすること間違いありません。

前々から訪れてみたかった北陸と、富山県の町おこしの中心として確固たる地位を築いた路面電車に乗車する旅です。

新宿駅→小田原駅

今回は旅の最初にムーンライトながらに乗車します。
この列車は東京~大垣を結ぶ座席夜行列車で、以前乗車したあけぼのとは異なり寝台ではなく、夜行バスのように座席で一夜を過ごす列車です。

6.念願の寝台特急「あけぼの」に乗る
夜の秋田駅昨日の早朝上野を出発、常磐線・水郡線経由で仙台へ移動、仙台で一泊した後に仙台・松島を観光、普通列車で北上しました。盛岡からはスーパーこまちに乗車して秋田に到着、長い道のりでしたがそしてここ秋田からこの旅のメインである寝台特急に乗車します。高鳴る鼓動を抑え、改札を通りホームに降り立ちます。そして、汽笛を鳴らしながらやってきた列車は…やって来ました「あけぼの」!貴重な機関車牽引列車です。しっかりと撮影して記録しておきます。写真もしっかり撮影したところで、予約した寝台に乗り込みます。あけぼのB寝台今日確保した寝台はB寝台下段です。JRの寝台列車はシーツなどは自分で準備する方式で、JR柄の浴衣も寝間着として用意されています。ベッドの長さは日本人成人男性でも十分横になれるでしょう。あけぼのは二段式寝台で、上段へはハシゴで上がります。このハシゴは収納可能で、使用しないときはたたみ、窓から外の景色を楽しむことが可能です。客車内にはこのように所狭しと寝台が並んでいます。このように寝台付近を物珍しく見ていると列車は秋田を発車、車掌さんの検札も受け、寝るまでの時間少しの間だけ列車内を歩いてみまし...[続く]

また今回メインで活用する青春18きっぷは、JR全線普通・快速列車に乗車できますが、特急列車は利用できません。その分1日あたり2,380円という破格で旅ができます。また1日(回)あたりの有効期間は、使用期間中の任意の1日午前0時~翌日0時まで有効ですから、賢い使い方をすれば24時間丸1日移動に費やすことも可能です。

今回は旅の最初からそれをフルに活用、18きっぷで乗車できる「快速」ムーンライトながら号に午前0時過ぎから乗車、一路北陸を目指すということです。
しかしながら号の東京駅出発時刻は23時10分、午前0時までは50分あります。ここで18きっぷを入鋏してしまうとわずか50分で1日分を消費してしまうことになります。それでは勿体ないので、ながら号が0時を過ぎて最初に停車する駅である小田原駅まで別ルートで先回り、日付が回った0時の小田原駅から1日分を使用開始する節約術を今回使います。

東京都内→小田原までは、ながら号の走るJRを利用してもよいのですが、それよりも安価に済ませる方法として小田急が挙げられます。

小田急は特急ロマンスカー、箱根の温泉で有名で、豪華な旅行に使われがちですが、今夜のような貧乏旅行の手段としても利用されます。

乗車するのはロマンスカー!…でなく、急行列車です。
夜22時を回ってからの旅のスタートというのも、珍しいものです。旅の出発前に自宅で夕食・シャワーも済ませた後でスッキリした状態で列車に乗り込みます。

日も既に暮れてしまいましたので、車窓を見ようとしても窓に写るのは必死に外の景色を目を凝らしている自分自身の顔です。しかし今回は(途中まで)2人旅、そんな時間でも退屈を感じることはありません。

そして列車は終点小田原に到着、時刻は既に0時を回っておりました。
堂々とJRの改札で18きっぷの日付印を押してもらい、ホームでこれから乗車するムーンライトながら号を待ちます。

快速ムーンライトながら号 小田原駅→大垣駅

小田原まで乗車してきた小田急に引き続き乗車すると、温泉地として有名な箱根へ行くことができますが、これから利用するのはそんな豪華な旅行とは正反対の移動手段、ムーンライトながら号です。
1日分の18きっぷに指定席券を追加で購入するだけで一晩を過ごしながら同時に移動もすることのできる、貧乏学生にとっては素晴らしい列車です。

そして0時31分、小田原を発車、列車は東海道を下ります。この列車は夜間は客室の消灯や減光は行われないため、昼間の列車と同じ明るさで過ごさなければいけません。このため、私は持っていた上着を掛け布団、タオルをアイマスク代わりに着用、終点の大垣までなんとか眠ろうとして過ごしました。

ちなみに乗車する車両は185系は特急踊り子にも使われる特急型車両ですが、今回は快速のため18きっぷでも乗車できる、お得な列車でもあります。

そして浅い眠りについては醒めを繰り返すこと数回、

終点の大垣に到着です。

大垣はJR東海の駅ですが、ここまでJR西日本の車両が乗り入れています。
ここ大垣駅ではながら号に乗車していた乗客たちが一斉に左の列車(10両→4両)に乗り換えるため、座席の獲得競争が行われることで有名です。
しかし今回の旅は少し時間的にも余裕があるため、左の接続列車に乗り換えることはせず、あえて1本見送り確実な着席を選択しました。

大垣駅→武生駅

1本見送ったおかげで、余裕で着席ができました。途中で天下分け目の合戦や冬の降雪でも有名な関ヶ原を通り、米原で下車します。

ここ米原からは北陸本線に乗り換えます。
敦賀行きに乗車して終点敦賀に到着です。

敦賀でも特に駅前に出て観光などせず、接続列車の金沢行きに乗車です。
終点の金沢までは乗車せずに、途中で列車を降ります。

降りたのはこちら、武生駅です。
ここ武生からもこれまでも引き続き福井方面へと向かうのですが、ただ北陸本線に乗車しても面白くはありません。
ここ武生からは平行する私鉄

福井鉄道に乗車します。

越前武生駅→田原町駅 福井鉄道

JRと平行する私鉄の福井鉄道は、一見すると路面電車です。
しかし福井市中心部以外は一般の鉄道のような路線を走り、速度も高めです。
またそれなりの距離も走るため、車内は快適性を考慮してか、クロスシートも用意されていました。

早速運転席直後の席を確保、前面からの景色を楽しみます。

途中駅です。ここ福井は豪雪地帯のため、冬にポイントの積雪を回避するための簡易的シェルターが各所に見られるのが特徴です。

反対方向の列車と行き違いをします。

しばらく乗車をして、福井市中心部に近づくといつの間にか

すっかり大通りの真ん中を走る路面電車の景色に変化していました。

途中駅も路面電車のそれと同じです。

反対方向の列車とすれ違います。
先ほど撮影した写真と見比べても、同じ列車から撮影したようにはとても見えません。

外を見飽きることなく、終点の田原町に到着です。

田原町駅→福井駅 えちぜん鉄道

ここ田原町駅は工事中で、

このように工事中の線路もじっくり観察することができました。
というものの、ここ田原町駅で接続する福井鉄道とえちぜん鉄道で相互に乗り入れる計画が進み、ここ田原町で接続予定です。ここ福井以外にも郊外の鉄道が路面電車に乗り入れ、古くからの都心部に直接乗り入れ、活発化させる交通整備の計画が再興しているようです。

えちぜん鉄道の田原町駅は昭和風情で、福井鉄道の近代的路面電車とは同じ駅ながら雰囲気が異なります。

しばらくホームで待ち、福井行きのえちぜん鉄道に乗車です。

少しばかり乗車して終点の福井駅に到着です。

福井駅はこのように、数年後に控えた北陸新幹線のさらなる延伸(金沢以南)を見越して既に高架が建設されています。
具体的に何年後の開業になるかはわかりませんが…
そのときにはまた来ようと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました