ある日、東京を観光することになり、特に浅草周辺の下町を巡ることとなりました。
しかしその集合場所はなんと遠く離れた成田空港でした。
一見すると意味不明なこの移動ですが、今後に向けての意味はあります。関東在住者が浅草に行くのに集合場所が成田空港というだけでも大変ですが、ただ空港へ行くだけではつまらないので、その近くにある生きた廃墟とでも呼ぶべき駅を訪問してきました。
日暮里駅→宗吾参道駅
出発はここ日暮里駅、京成本線に乗車します。
乗車するのは5時49分発の成田空港行き、なんと普通列車です。
日暮里から成田空港までのアクセスは特急が主流ですが、始発列車の時間帯のためそんな列車はまだ走っていなく…延々と各駅に停まる列車を使うしか手段はありません。
乗車する成田空港行きがやって来ました。
普通列車で成田空港へ行くととなったのも、空港での集合時間前に今回の寄り道をしておきたかったからです。
荒川を渡ります。奥には東武線・JR線の橋が見えます。
正確な一は忘れてしまいましたが、途中風車が車窓に見えました。
日暮里から乗車した列車は成田空港行き、これから向かう場所も成田空港ですが、一旦ここ宗吾参道で列車を乗り換えます。
宗吾参道駅→芝山千代田駅
ホームで少し待っていると、当駅始発の乗り換える列車がやって来ました。
行先表示をよく見てみると、
普通(東成田)芝山
とあります。一見複雑な表示で、かつこの列車の走る路線に「芝山駅」は存在せず、一見すると詐欺のような行先案内ですが、スペースの都合このように省略されたのでしょうか。
そして先ほど乗車していた成田空港行きでは行くことのできない駅へとこれから行く訳です。
日本一短い鉄道 芝山鉄道
終点の芝山千代田駅まで乗車しました。
ここ芝山千代田駅は厳密には京成電鉄の駅ではなく、芝山鉄道の路線です。芝山鉄道は隣の東成田駅からここ芝山千代田駅までの1駅だけ営業している路線で、総延長は2.2km 日本一短い鉄道と呼ばれています。
ICカードは利用できないため、券売機も都心の駅ではあまり見かけないタイプです。
この芝山鉄道線は1駅だけの路線ですが、この区間で全線開通ではありません。将来九十九里方面への延伸計画もあります。
しかし現在の利用状況や沿線人口から推測するに、今後新線として開通ができる見通しは高くないのではないでしょうか、と個人的に思います。
芝山千代田駅→東成田駅
ここ芝山千代田駅では特にやることもないので、乗ってきた列車ですぐに折り返します。
駅のホームからは成田空港に駐機中の飛行機を眺めることができます。
列車は定刻通り発車、隣の東成田駅で下車します。
空港内の秘境駅 東成田駅
東成田駅は正真正銘の京成の駅です。
列車は上野へ向けて走り去ってしまいました。
ホーム上の人は数えるほどもいません。
東成田駅で使われているホームは1つですが、奥に照明の消された使用されていないホームもあります。
拡大してみると、なんと成田空港駅の駅名標が!
実はこの東成田駅、元々は京成の成田空港駅でした。成田空港駅自体は現在の第一ターミナル直結する位置に移転、営業がされていますが、その昔はここにありました。
地図上でも確認すると、この現在の東成田駅はどちらのターミナルからも離れた微妙な位置にあります。実は元々のターミナルがこの東成田駅横にあった、のではなく、ターミナル直結の位置には旧国鉄(現在のJR)が優先され、京成の駅が空港開業当初この微妙な位置にしか建設が許可されなかった訳です。成田空港が国策として建設されたのも一因でしょう。
月日が経ち、現在のようにJRと併走する形で第2ターミナル、成田空港それぞれの駅が本線になり、東成田はローカル線のような雰囲気として残されることになりました。
東成田駅 空港散策
コンコース上にはこのように封鎖された窓口もあります。
コンコース各所がこのように封鎖され、現在使用していないホームへは立ち入れないようになっています。
利用者があまりにも少ないため、エスカレーターもこのように中途半端な運用です。
改札もこのように、かつての空港最寄り駅とはとても思えないような雰囲気です。
地上に上がりました。
空港の管制塔が見え、ここが空港の敷地内であることを思い出させてくれます。
各所のサインに時代を感じます。
忘れるところでしたが、集合時間が近づいてきました。集合場所は空港第2ビルです。今から移動しましょう。
現在地の東成田駅から空港第2ビル駅までは500mの連絡通路で接続されています。
このように、連絡通路の入口には接続できることが当然のように案内がなされています。
人が誰もいない閑散とした景色を想像していましたが、この朝の通勤時間帯は、意外にも空港勤務者などで賑わうようです。
あとはひたすら通路を歩き…
見慣れた空港ターミナルの景色が見えてきました。
連絡通路の出口には、このように東成田駅への連絡口との表示がありますが、一般の空港利用者がこの道を通ることはまずないと考えてよいでしょう。
無事に成田空港第2ビルに到着しました。ここが集合場所です。
やっと到着したところでいよいよ次は折り返し、浅草観光です。
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