春から無事に高校に進学、新生活に慣れた頃、初めてやってくる夏休み。
中学生のときより予算、行動の自由が増えたこともあり、早速旅に出ることにしました。行先はどうしよう。せっかく高校生になったのだから、初めて行く場所がいい。
そうだ、北海道まで行ってみよう。と考えたったのが今回の旅の始まりでした。
少しは行動の幅が広がったとはいえ、相変わらずできることや予算には限りがあります。
今回利用するのは北海道&東日本パスで、JR東日本・JR北海道の全線の普通列車が乗り放題となる大変お得なきっぷです。しかも有効期間は7日間、北海道まで行って帰ってくるには十分な期間です。
同様に普通列車乗り放題の有名なきっぷとしては青春18きっぷがありますが、大きく異なる点は有効期間と、北海道&東日本パスでは元JR東日本の路線である青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道と北越急行に乗車できることです。
東京と北海道方面のメインルートである東北本線は途中の盛岡までで、その先青森までは青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道と管轄が異なります。そのため、今回は青春18きっぷではなく旅をする上で支障の少ない北海道&東日本パスを選んだのです。
きっぷ一式・宿泊施設の手配を終え、あとは旅行当日を待つのみとなりました。
大宮駅→高崎駅
実は今回の旅行にあたり、初めて使用したものがあります。それは一眼レフカメラです。この旅行のわずか1週間前に購入しました。
本来であれば慣れないカメラを持って旅行はすべきではないのでしょうが、許していただきたいと思います。
朝の大宮駅、高校生最初の遠くへの旅がここから始まります。
まずは高崎線に乗り、上越方面へ。
最初にも述べた通り、今回の旅では北海道・函館を最終目的地として目指します。
え?と思われた方もいるかもしれません。目的地が北海道であれば大宮駅から乗るべきは宇都宮方面の列車です。純粋で素直な高校生ならそうするでしょう。
ただ私は捻くれた性格の持ち主、まっすぐ宇都宮方面を目指してもつまらないので、大きく寄り道をすることにしました。よって高崎線に乗車し上越方面に進むのは間違いではありません。
大宮を出た列車は混んでおり、最初は座れませんでした。
だがこの列車は郊外へ伸びる高崎線。都会から離れるにつれ次第に列車は空き、熊谷を過ぎた頃には車内はガラガラとなりました。車窓を眺めているうちに終点の高崎駅に到着です。
高崎駅→土合駅
高崎からは国鉄型の古い列車に乗り換えます。ここから先は初めて乗車する区間です。
そして終点の水上に到着すると、今度は手前から奥の列車に乗り換え、ひたすら上越国境に向け進みます。
トンネル駅・土合駅
かの有名なフレーズ「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」を知っている方は多いでしょうが、その地がここ上越国境だと知る人は少ないのではないでしょうか。
ただ、この日は夏。しかも天気は雪どころか曇りでした。果たして、トンネルを抜けた先の感動はあるのでしょうか。
いや、待て。ここの本当は見所は国境の長いトンネルの中にある。
トンネルの中で下車?いやいや、ここはれっきとした駅です。
ここはトンネル内にホームがあることで有名な土合駅。
この写真を見ての通り、完全にホームの上部はトンネルで覆われています。
ホームの端まで行ってみると、トンネルの奥から差す光が見えない。つまりそれほど地上からは遠い山の内部にいることになります。
ここ土合駅の位置する清水トンネルは、群馬県と新潟県の境となる清水峠を全長9,702mの長さで貫いています。その途中に存在するこの土合駅は地上から70mの深さにあるそうです。
そのまさにトンネルの中に位置する駅からどうやって脱出するのか、というと…
階段を使います。バリアフリーなどという言葉には一切無縁なのがこの駅の特徴といえるでしょう。階段をひたすら上ること10分、日頃からしっかり運動をしている私にとっても少しきつく感じます。
上ること462段
とうとう明るい地上に到着!日の光を浴びるのは何日振りのことか、まるで気分は大正時代の炭鉱労働者のようでした。
しかし、よく読むと改札出口まで24段ありますが…462段を上る経験をしたら、もう誤差の範囲内でしょう。
こちらが土合駅の駅舎です。
山奥の無人駅にしてはなんと立派な駅舎でしょう、というのが率直な感想です。
写真にもある通り、自動車が駐車されています。おそらく私のような観光目的で訪れたか、もしくは谷川岳登山のための自家用車でしょう。鉄道で登山を楽しむためには、まず地下から地上への階段を上ることが第一のステップとなります。
土合駅→水上駅
私はこのまま新潟方面を目指しますが、再びあの階段を戻って地下まで下りたくない…というのはこの駅を訪れた皆さんが思うことでしょう。
実はこの駅、新潟方面の下りホームは先ほど降り立ったトンネル内に位置していますが、高崎方面の上りホームは地上に位置しており、階段を利用する必要はありません。今回もそれを有効活用、一度来た道を水上まで引き返します。
水上にはSLが停車していました。私はあまり詳しい知識はないのですが、ここ水上は山越えの麓であることから、昔から鉄道の要所であったようです。
水上駅→越後湯沢駅
水上から再び下り列車に乗り込み、今度こそトンネルを抜けるとそこは…
越後湯沢!
続きます。
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